2月, 2014年

2014年、円安と株高はどこまで続くのか

2014-02-04

2013年は「アベノミクス」と日銀の「異次元金融緩和」によって、円安と株高は5月~6月の一時期を除けば、見事に加速し続け景気浮揚とデフレ脱却の足掛かりを与えた。指標としての数字を見る限り、アベノミクスは一定の成果を上げたことは間違いがない。そして2014年も、少なくとも3月後半までは大きくこの状況を覆すことは起きそうにもない。したがって、それまでは円が売られ、日本株が買われる展開が続いていくことだろう。数字としては日本円が112円程度まで、日経平均が17800円程度までなら上がって行く可能性がある。もしも円安や株高がその後も継続すれば、年末には120円や20000円も有り得ない話ではない。

円安や株高に関して、2013年に大きく動いたのだから今年はそんなに大きく動くはずがない…という人たちがいるが、それは違う。当たり前の話だが日本株の数値を考える時、日本人は日本円における日経平均の数値を考えがちだ。けれども世界的にはドル換算による数値で捉えるのが一般的なのだ。したがって円安が継続し続ける限りは、世界的な株高の中での日本株は異常なほどの上昇とは言えないのである。欧米諸国と同程度の上昇で、日本株だけが突出しているわけではない。円安を伴っている限りは「バブル」ではないのだ。もっとも主要企業の業績や見通しが判然とするのが3月~5月なので、それ以降外国人が日本株を買って来るか、売って来るかによって、日本株の先行きがはっきりするだろう。

もっとも株や通貨は“生き物”であるから、それはあくまで不測の事態が生じないことを前提として云えば…ということで、日本の周辺諸国に種々な火種が燻ぶっているので、取り敢えず大きな問題へと発展していかないことが“通常予測”の条件といえる。

実は人間の「運命」でも同じようなことが云えて、不測の事態が起こらなければ平穏な人生が送れたのに…とか、転落の人生を歩むはずがなかったのに…と思われるケースは多い。十年前とか、或いは二十年前とか、私が鑑定した当時は文字通り幸運で恵まれた手相や人相を持っていた人物が、予期せぬ出来事が起こって環境が一変するとか、何もかも失って悲惨な状況に置かれ、再び鑑定に訪れて来るようなケースが稀にある。手相とか人相は永久不変なものでなく、その時々で変化していくものであるから変わっていて当然なのだが、別人かと思えるほど大きく変貌していて驚かされることがある。その当時の“幸運な相”が完全に消え失せ“不運な相・悪相”だけが新たに増えている。鑑定当時からは予測不可能な手相・人相の変貌を見せつけられると…手遅れ状態で来られても…と正直困惑してしまう。

個々の株価が表す上下動のグラフは、そのまま個々の人生の盛衰と似ていなくもない。上がりっぱなしということもない代わりに、下がりっぱなしということも滅多にない。株価がそうであるように、上り初めが一番勢いがあり、その後10倍、20倍まで株価が跳ね上がるケースは稀ではない。もちろん、ほぼ毎年変わらぬ微動を繰り返す動きの乏しい株もある。どの株価にも企業としての存在価値があるように、個々の人生でも華やかな盛衰があれば良いというものでもない。むしろ、穏やかで上下動少ない人生の方が幸せなのかもしれないのだ。そして一番幸福なのは老後に向かって“穏やかな上昇のカーブ”を死ぬ直前まで描き続けられる人生なのかもしれない。