11月, 2015年

額の形の種々相

2015-11-04
【富士額】

富士額

富士山のような山形の形となっているのが「富士額」です。
日本などアジアの女性達に多く見掛ける相ですが、最近はやや減ってきているように感じられます。この額の場合、額そのものはあまり広くないもので、額中央部が出ている「オデコ」の人に見ることはほとんどありません。眉の上の眉骨も盛り上がっていないのが普通です。江戸時代などの女性の結い上げる髪形には似合うもので、和服姿にも適しています。ホルモンの関係もあって、男性で富士額の人はめったに見掛けないものですが、時折、それに近い人はいます。富士額には二種類あって、その一つは「きれいで発達した富士額」で、オデコではないが全体的に高く張り出した印象を与える額で、女優の吉永小百合さんなど、その典型と云えます。目上を敬い、古典的な分野で引き立てられて成功を招く人の相です。情感も豊かで、古風でひたむきな愛情観、家庭観を持っています。もう一つは「狭くて上部が後退している富士額」で、押しつぶされたような印象を与えるものです。幼少期の家庭環境に恵まれなかった人の相で、社会的にも発展しがたく、結婚後は親子間の問題で苦労しなければならない相です。男性で富士額に近い人は、依存型の人生観を持っていて、愛情面でも、相手にリードされていく恋愛関係となりやすいものです。
【角額】
角額

額が四角張って抜け上がっているのが角額です。「男額」と呼ばれることもあります。その名のごとく、男性に多く女性には稀な相ですが、最近は女性でも角額の人が多くなって来ました。この額は男性に多く見かけるものですが、10代前半から角額であることは少なく、20代半ばくらいになって見事な角額に整って来るのが普通です。この額にも二種類あって、その一つは額面積が広く、額全体に凹凸が少なく、整った印象の角額で欧米男性に多く見かける額の相です。若くして才能を発揮し、社会的な名誉や地位を与えられ、10代後半とか、20代初期のころから活躍し始めるのが特徴です。頭脳は優秀ですが、やや理論に傾き、現実を忘れがちな傾向が見受けられ、情緒・情感に乏しい欠点があります。もう一つは額面積が狭く、詰まったような印象を与え、多少額に凹凸の見受けられる角額で、眉骨の発達しているケースが多いものです。これは有能なビジネスマンに多く見受けられる額で、実務と商才とにたけていることが特徴です。彼らは何よりも実際に役立つ知識を求め、実用性のないものには興味や関心を示さないものです。精神的なものに対しての理解力はやや乏しく、頑固で保守的な生活方針を持っているのも特徴です。行動力や実行力があり、特に組織の中で才能と手腕を発揮していくことになります。

【丸額】
丸額
額がアーチ形に抜け上がっているのが丸額です。男性よりも女性に多く、それも若いときからと云うのではなく、徐々に丸額へと変わっていくのが特徴です。完全に丸額と化すのは男女とも30代後半以降となってからが一般的です。女性の場合は愛嬌があって、機転が利くので、多くの人たちから愛され、親しまれていることが多いものです。接客業やサービス業の経営者、芸道の指導者などにしばしば見受けられます。何も知らない若い人たちを一から育てあげていく指導力に恵まれているものです。ただし、夫運の良くない生まれでもあって、早くに死別するとか、金銭問題で苦労を掛けられるとか、異性問題で悩まされるとかしやすい特徴が見受けられます。男性の場合も社交性があって、若い人たちの面倒見が良い人として慕われているケースが多いものですが、気が弱くて、執念深く、嫉妬深いといった性質上の弱点を隠し持っているようです。
【M字形額】
M字形額
額全体が大きく抜け上がって「M」文字形となるのは、女性に見ることは稀で、男性には時折見受けられます。若くして額がM字形となっているのは、遺伝的な傾向も多少あるが、特にこの形で「仙骨」と呼ばれる額部分(眉頭から眉尻までを三等分して、その後方3分の1部分から垂直に髪際へ仮想線を延ばし、その中間点付近)が高く隆起している場合、昔から独創力や直観力の優れた天才的とも云える芸術家や宗教家や哲学者を多数輩出しているものです。作曲家ベートーベンの額はその典型です。ビジネスの世界であっても、次々と新しい企画を打ち出したり、アイディアを商品化したりして、世間をリードし、注目される存在となります。きわめて稀ではありますが、女性にこの額を見る場合は天才肌の芸術家として早くから騒がれるとか、霊感少女として特異な能力を発揮するとかしがちなものですが、家庭的にはさびしく、愛情面では満たされない人生を歩むようになります。また同じM字形でも、中年以降に髪が抜け上がって出来た形で、仙骨付近が全く発達していない場合は、ただ単に人の善い性質と、他人のために奔走する人生とを物語っている相であって、才能的に秀でているとか、見るべき素質は存在していないものです。
【乱れ額】
乱れ額A 乱れ額B 乱れ額C
左右対称となっていない額や、変形に抜け上がっている額のことを「乱れ額」と呼びます。これには事実上三つのタイプが見受けられます。まず「A」のように、左右どちらかの「霊墓」(額の生え際中央からやや逸れた部分)付近だけが異様に抜け上がって特殊な額の形となっているのは、先祖とか霊墓とかに対して特殊な能力を持つ人の相であって、生まれながら神仏との関連が深く、霊視能力や、交霊能力や、心霊治療などで特殊能力を授かり、活用している人たちばかりです。
「B」のように、本来は角額であったのに、その中心部分だけが丸く抜け上がっているのは、前世や過去世と深く関わっていて、幼い頃の環境・人生体験等から、信仰心強く、先祖供養に対しての特別な素質・能力を授けられている人が多いようです。「C」のように、形としては特殊と云うようなことはなく、ただ単に左右の抜け上がり方が大きく異なるだけなのであるが、時折見かける相です。これは片親と縁が薄い人の相で、運命的な変化が激しく、紆余曲折の人生を歩んでいくことも特徴と云えます。ただ何事に対しても勘は鋭く、宗教心に富んでいる場合が多いようです。一説に、不誠実で異性を裏切るような行動をとりやすい人の相、と指摘するテキストもあるようですが、少なくとも私は今日まで、そのような実例を知りません。

水野南北による主要28穴相法

2015-11-04

水野南北の28穴

江戸時代の観相家・水野南北は、その代表的著作『南北相法』において、古典的な顔面上の130部位に基づく判断方法を捨て、自らが実践的に重要とみなした28穴(部位)による判断方法を披露している。
南北は、通常「部位」と呼ばれる表現を嫌って「穴」とし、主要28穴としたが、補足的にそれ以外の5部位(穴)も、実占解説上は加えている。彼は最初、当時の誰もが学ぶ『神相全編』から観相術に入ったのですが、やがてそれでは飽き足らなくなって、観相を極めるため、髪結いを3年、風呂屋の番頭を3年、火葬場の死体を焼く係を3年やって、顔だけでなく、身体全身も含めた個々の人相と運命との関係を実地研究したといわれる。その成果が『南北相法』なのだ。
私自身(波木流)の顔面部位研究とは、若干相違する部分もあるが、人相を学ぶ者にとっては大変興味深いので、28穴の名称と位置・範囲、及びその意味・役割について、現代人にも理解できるよう工夫しながら忠実に記してみよう。

●天中 髪際上部中央、中指を横に当てて1寸幅の範囲内。思いもかけない吉凶を見る。
 *波木注記…1寸幅は約3センチ。
●官禄 額中央、中指の指先節間の長さ四方の範囲内。今現在の運勢の吉凶を見る。
●印堂 両眉の間に親指を横に当て1寸内。望み事が叶うかどうかを見る。
●土星 印堂の下、鼻先までを含む鼻柱全体。身分の吉凶を見る。
●食禄 鼻下の鼻溝(人中)を除く、鼻脇(法令)線の範囲内。当時の家計・家族の吉凶を見る。
●地閣 下頤中央部の1寸四方内。住居敷地内のことを見る。
●主骨 額中央から左右へ4本の指を立て、その4本目が当たる指頭位置。眉より1寸上部。
主人(*波木注記…当時の「主人」とは、家長的・社長的な立場の人物)のことを見る。
●日角・月角 額中央から左へ指3本目指頭が「日角」、同じく右へ指3本目指頭が「月角」。
父(通常は日角)母(通常は月角)、及び目上のことを見る。
●辺地 額中央から左右へ指9本目の指頭(髪際)位置。旅行の吉凶や遠方との関係を見る。
●福堂 印堂やや上部から左右へ5本目の指頭(眉尻上部)位置。金銭のことを見る。
●兄弟 眉とそのやや上下に当たる部分。親族のことを見る。
●妻妾 眼尻から後ろに指3本までの指頭範囲。妻、及び女のことを見る。
*波木注記…当時の鑑定は男性中心だった。現代では「夫妻」とすべき部分。
●顴骨 眼尻から下へ指3本目に当たる指頭部分。世間、他人のことを見る。
●右身・左身 眼頭から下へ指3本目に当たる指頭部分。盗難、及び失せ物のことを見る。
●法令 鼻の両脇から口を取り囲んで下がっていく皺。当時の家業・仕事の吉凶を見る。
●奴僕 口の両脇下から法令線の外側にかけて。部下・目下のことを見る。
●男女 眼の下の骨のない部分。子孫・部下のことを見る。
●天陽 天中から左右へ指4本目に当たる指頭位置。思いもかけないような出来事を見る。
●神光 天庭から左右へ指5本目に当たる指頭位置。神仏に対する信仰の有無を見る。
●山林 司空から左右へ指7本目に当たる指頭位置。先祖の家督と、その盛衰について見る。
●交友 中正から左右へ指3本目に当たる指頭位置。友人・同僚の吉凶を見る。
●駅馬 中正から左右へ指9本目に当たる指頭位置。家の普請、及び転居のことを見る。
*波木注記…「天庭」は髪際中央にある天中のすぐ下、「司空」は天庭のすぐ下、「中正」は司空のすぐ下にそれぞれ位置する。
●魚尾 眼尻を含む指頭1本の範囲内。当時の私生活上の充実度を見る。
●奸門 眼尻から後ろに指5本目に当たる指頭位置。陰の女性のことを見る。
●高広 天中から左右へ指3本目に当たる指頭位置。予期せぬ出来事を司る。
●承漿 下唇の下に小指を横に当てた範囲内。薬違いや食中毒のことを見る。
●家続 目の上の骨のない部分。当時の家庭的な充実度を見る。
●命宮 両目の間で鼻の付け根部分。病気の有無、及び家のことを見る。

顔面紋理の種々相

2015-11-04

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人相上の「顔面紋理」には、誰もが知っている小鼻脇から刻まれる「法令筋(ほうれいすじ)」や、額の横皺である「節条線(せつじょうせん)」以外にも、興味深い「シワ」がいくつかあります。ここでは、それらの中でも比較的よく見かけるシワに関して、意味のあるものを述べていきます。

【イ】「懸針紋」(けんしんもん)=眉間中央から額に向かって立つ1本の深い筋
性格的には、意志が強く負けず嫌いで仕事熱心な人たちが多いようです。その道の「権威」と呼ばれるような人たちにもしばしば見受けられます。日常生活では不満多く、口うるさく、金銭に対して几帳面で、潔癖な点も見受けられます。生地を遠く離れて成功する運命を持っています。
【ロ】「剣難紋」(けんなんもん)=眉頭から額中央へと向かってやや斜めに立つ筋
向かって右(本人の左)側から立つ場合は、闘争心強く、カッとなりやすく、自ら人を傷つけるとか、危害を与えていく人の相となります。向かって左(本人の右)側から立つ場合は、本能的な恐怖心が強く、敵や暴漢から襲われるなどしやすい相です。眉間の両側に立つ皺は思索家の相です。
【ハ】「兼業紋」(けんぎょ うもん)=眉を上から取り巻くかのように出る皺
古典的な人相の教科書では「副業を持っている人の相」とされていますが、必ずしもそういう人たちばかりではありません。本人が持っている知識や、アイディアや、特殊技術などを、お金儲けに結び付けていくことに対して特別な才能を持っています。多少、強欲な傾向も見受けられます。
【二】上瞼(うわまぶた)に重なるような形の長い横皺
眼下が落ち窪んでいる人に多く出現しやすい相ですが、家庭運の良くない相の一つで、特に親子縁の薄い生まれとされています。したがって、早くから親と離れて暮らす運命を持っています。極めて稀ですが、一緒に暮らし続けた場合には、親子間でトラブルの多い状況が生じて来ます。
【ホ】「魚尾紋」(ぎょびもん)=目尻のシワがやや上曲して髪際に達する
目尻の皺は、中高年になると誰でも出現するものですが、特にその中の1本がクッキリ長く刻まれるのは、統率力があり、多くの人の上に立ち、部下・後輩達からの信頼の厚い人の相となります。後継者運も良く、配偶者運にも恵まれますが、時として愛人が出来やすい傾向も窺われます。
【ヘ】「重操紋」(じゅうそうもん)=二重瞼の起点と終点とが眼から離れている
通常、二重瞼の線と云うのは、目頭か、眼尻か、そのどちらかが眼に繋がっているものですが、接近はしていながら、その両方とも眼から離れているのは、早熟で早くから性に目覚め、女性の場合は十代から男性遍歴を重ねる相ですが、正式な入籍・結婚には縁のない人に多いものです。
【ト】「涙堂紋」(るいどうもん)の一種=眼頭から斜線の筋が明確に出ている
この相は比較的長い皺として出現することが特徴ですが、男女とも子供縁の薄い人に多く、運命的な事情から、子供と離れ離れに暮らさなければならないようなケースに多く見られます。片側だけに出る場合と、左右とも出る場合がありますが、長いほど一緒に暮らすのは難しくなります。
【チ】眼頭から鳥のくちばしのような短い筋が出ている
この相はあまり目立たない相ではありますが、女性に多く見受けられます。異性運の良くない相の一つで、なかなか結婚できないとか、恋人や配偶者によって大変な苦労を強いられることが多いものです。男女とも再婚相であって、最初の結婚のまま上手くいっている例は極めて稀です。
【リ】「二重涙堂紋」(にじゅうるいどうもん)=眼頭から目尻まで涙堂紋が重なるように出る
きれいな線として二重線が出現する場合は、部下・後輩の運と、子孫運の両方に恵まれる形で、汚い印象の涙堂や皺となっていないことが条件です。位置的には二重線の上部が子供運、中間部分が部下運です。事実上、二つで一つのように見える部位です。膨らんで見えることが大切です。
【ヌ】眉間のやや下部、又は山根部分に横筋が出る
横筋が1本の場合を「一挙」と云い、初婚に敗れるか、我が子が家業を継がぬ人の相とされます。この横筋が2本以上出現するのは「権威家の相」で、常に命令を発するような立場の人にしばしば見かけるものです。ただ、気難しい点を持っていて、家族関係はあまり良い相ではありません。
【ル】「養子紋」(ようしもん)=山根付近から鼻頭に向かって縦筋が出る
この養子紋に関しては、普段から出現している人と、笑ったときだけ出現する人とがいるようです。通常は1本で、実子に縁の薄い人です。3本出現する場合、真ん中の筋が長ければ自らが養子におもむく相となり、真ん中の筋が短ければ養子を迎える人の相となり、婿養子も含まれます。
【オ】鼻峰の途中から、左右とも斜めに骨が浮き立つ
これは実際には紋理とは言えないのですが、「十三部位」の「年上」辺りから、骨が斜めに浮き立って見える相なのであって、大変に嫉妬深く、些細なことから身近な人に対して怨恨を抱いて生きていくことになる人の相です。性格的に執念深く、対人関係でも支障が生じやすいようです。
【ワ】法令筋の内部、「食禄」の部分に放射線状の筋が出ている
これは必ず放射線状に何本も出て来るのが特徴で、その多くは老齢に至って出現するものです。種々の事情から義理のある子を養い、晩年になって、その子から生活の援助・面倒を見てもらうようなことになる人の相です。この場合、離婚した息子の嫁や孫である場合なども含まれます。
【カ】下唇と下頤との間に現れる弓状の横筋
この弓状筋がクッキリと出現しているのは、味覚に対する特別な才能、又は飲食関連分野における大いなる成功・繁栄を物語る相であって、ソムリエや料理長などとして活躍する人にしばしば見受けられるものです。晩年運の良いことも表し、家庭的にも恵まれ、財産も得ていくようです。
【ヨ】口角より出現して下る独特の形状をした皺
口角から出現する皺には「法令」と並行する縦皺もあるのですが、この場合はやや異なり、若いときから出現する場合もあり、口角下だけに深く刻まれ、口角上には出ていないことが特徴です。この紋理は何らかの主義・主張を持って生きていて、その実践者であることを意味しています。
【タ】両頬に出る独特の形状の深い縦筋
人と対話し、接客し、交渉し、取引することに対して、特別の才能を発揮する人の相であって、外交手腕巧みな人にしばしば見受けられるものです。特に、野外における交遊を通じての交渉事に関しては、絶対の自信を持っているようです。商社マンやホテルマンとしても成功する相です。
【レ】「歓待紋」(かんたいもん)=上下唇、特に下唇の方に多数刻まれる縦皺
この唇の縦皺が多数刻まれている人は、情感豊かで、多情多感な傾向を持ち、人と談笑したり、会食したり、接客したりすることに喜びを感じる人です。女性の場合は、やや誘惑に弱い傾向があって、騙されやすく、尽くしたり、貢いだりしやすい傾向もありますが、人気運があります。

顔面の縦区分と横区分から生まれた「顔面26部位」

2015-11-04

顔面26部位と正中十三部位

古代から、東洋系人相術においては「顔面部位」と呼ばれる「顔の特定位置」に基づく気血色判断が行われてきました。この顔面部位の元になっているのは、中国・周王朝期の産物と思われる「正中十三部位」の顔面区分法にあります。つまり、鼻が通る縦の顔面中央を「正中帯」と呼び、その縦の領域を13に区分し、個々のポイントに対し特定の名称を与えたのです。そして、それら13部位の状態を見ることによって、人生や運命が判断できる、と考えたのです。
ここから東洋系人相術はスタートするのです。漢代以降には、この観方・考え方が普及発展して何と一時的には顔面130部位へと細分・拡大されたこともありますが、これはあまりにも細か過ぎていて実用的な判断方法ではありません。それに同じ個所を異なった名称で呼ぶなど、矛盾も見受けられます。
私は合理的な顔面部位区分法としては「顔面26部位」分割が適切である、と捉えています。
これは、すでに述べてある波木流の「顔面の縦区分」と「顔面の横区分」とを組み合わせて出現する顔の区画領域です。あいまいになりがちな位置指定を、これならば明確に区切って26分割することが可能となるのです。ただし、実用的な顔面総部位は、もう少し細分されるのが実態です。波木流人相術においても、さらに細分した「総部位の図」はあるのですが、それはかなり高度な観察力を要するので、その前段階として理解してほしいのが26部位の図・区分なのです。
これらの判断方法は、形ではなく、主として気血色によって行われます。

【天停部位】 「天位・中央面=1」「人位・中央面=2」「地位・中央面=3」
「天位・正面=4」「人位・正面=5」「地位・正面=6」
「天位・側面=7」「人位・側面=8」「地位・側面=9」
【人停部位】 「天位・中央面=10」「人位・中央面=11」「地位・中央面=12」
「天位・正面=13」「人位・正面=14」「地位・正面=15」
「天位・側面=16」「人位・側面=17」「地位・側面=18」
【地停部位】 「天位・中央面=19」「人位・中央面=20」「地位・中央面=21」
「天位・正面=22」「人位・正面=23」「地位・正面=24」
「天位・側面=25」「人位・側面=26」

それぞれの意味合いに関しても簡単に述べておきます。

1= 「正中十三部位」では「天中・天庭」にあたり、神仏関連や訴訟問題について判断します。
2= 「正中十三部位」では「司空」にあたり、役所関連、試験の合否、仕事運につき判断します。
3= 「正中十三部位」では「中正・印堂」にあたり、本人の願望や印鑑問題について判断します。
4= 額上部で、本人の先祖や心霊世界と関わりが深く、予期せぬ災難とか天災も暗示されます。
5= 額中央左右の広い領域で、目立たないところですが父母運や財産運と関わりを判断します。
6= 眉骨があって高く、眉毛を含む部分ですが、本人の行動力と血縁関係、才能を判断します。
7= 額左右の抜け上がる部分で、本人にとって未知の領域を表し、海外の出来事など判断します。
8= 額側面で「こめかみ」と呼ばれる部分ですが、旅行や移動の吉凶、遠方取引等を判断します。
9= 額側面で「こめかみ」の下部ですが、日常的動向や金銭取引、契約関連問題を判断します。
10= 「正中十三部位」では「山根」にあたり、身内関連や健康問題、結婚運について判断します。
11= 「正中十三部位」では「年上・寿上」にあたり、1年間の運勢や病気について判断します。
12= 「正中十三部位」では「準頭」にあたり、物質的欲望や度量の大きさについて判断します。
13= 目を含む瞼全体の部分ですが、眼には精神力が現れ、瞼からは家庭的愛情が判断できます。
14= 鼻の側面から頬骨に至る部分ですが、世間との関わりや、社会的位置・財力を判断します。
15= 小鼻を含む頬の下部ですが、金銭的な出入りと、人気運が示され、対人運も判断できます。
16= 眼尻一帯ですが、配偶者や恋人との関係、愛人や片思いの相手との問題などが判断できます。
17= 耳の手前に位置する部分ですが、本人の健康状態や身近な親戚間との問題が判断できます。
18= 耳たぶの手前に位置する部分で、家庭内の問題や、家系・相続財産の問題などを判断します。
19= 「正中十三部位」では「人中」にあたり、SEX問題や妊娠・出産などについて判断します。
20= 「正中十三部位」では「水星」にあたり、愛情の厚薄と潔癖の度合いについて判断します。
21= 「正中十三部位」では「承漿」にあたり、印鑑問題や消化器官の病気について判断します。
22= 人相で云う「食禄」と「法令」を含む領域で、本人の活動範囲や部下後輩の運につき判断します。
23= 口唇の両側に属する部分で、本人の意志や考え方が、どれだけ浸透しているか判断できます。
24= 下頤の両サイドで、住居や職場における近隣との関係が現れ、倉庫等の問題も判断できます。
25= 耳下の骨が突き出た「顎(あぎと)」の部位で、本人が秘密にしておきたい事柄が判断できます。
26= 「下頤」と「顎」とを結ぶ下辺で、海や川など水辺の問題や路上での出来事などを判断できます。

人形相法と顔面十二宮

2015-11-04

顔面12宮位置と名称

命宮(めいきゅう)―眉間中央―人形相法では「胸の位置」にあたり、心の中で思っていることがそのまま血色として表れます。心が晴れやかだと命宮も晴れやかとなり、心が悩み苦しんでいると命宮にも暗色が出現します。怒っている時には、命宮も赤気に満ちで来るものです。
財帛宮(ざいはくきゅう)―鼻の下部―鼻頭と小鼻の両方を含みます。「財帛」とは現代で云う「財布」のことで、小鼻にある穴が「お金の出入り口」に相当しています。したがって鼻の穴が大きい人は大金の出入りする相であり、真正面からでも見えると浪費がちとなります。
兄弟宮(きょうだいきゅう)―眉そのもの―実際には眉の周辺も少しだけ含みます。眉と云うのは元々「血の余り」で、「兄弟をはじめとする血縁者」の動向が現れるところとします。したがって眉が途中で切れているのは、兄弟・親族に不測の災難による死者ありの相とします。
田宅宮(でんたくきゅう)―眼と眉の間―ここは一般に、欧米人は狭く、東洋人は広いと考えられがちですが、実際にはそうとも言えません。欧米でも相続財産を所有している人は広くなっています。「田宅」とは「家屋敷」のことで、ここが広いと立派な不動産を取得できます。
男女宮(だんじょきゅう)―下まぶた―厳密には下まぶたそのものと、その下の大きな「涙堂」とが含まれます。主として子供との関係を表す部位で、下まぶたのライン中央付近にホクロがあると、子供を早期に亡くす可能性が高いものです。「涙堂」は部下運を見るところです。
奴僕宮(ぬぼくきゅう)―口の両脇下部―古典的人相の書物には、法令線の外側を「奴僕」としているものが多いのですが、自分に従う「従属者」的な意味合いが強い「奴僕」は、口の両脇下部が位置としてふさわしいものです。ここが発達していないと部下・後輩が付いてきません。
夫妻宮(ふさいきゅう)―眼尻後方―古典的な相書では「妻妾宮」と呼ばれ、配偶者と愛人に関することが表出される部位としていました。昔は人相が「男性対象の方術」だったからです。眼尻に近い部分が配偶者や恋人との関係で、眼尻後方には愛人や浮気相手との関係が出ます。
疾厄宮(しつやくきゅう)―鼻峰中央―通常は「両目の間」とされていますが、実際には鼻峰中央全体が含まれるものです。文字通り「疾病」と「災厄」とが出現する場所で、ホクロガある場合は内部疾患としての重い病気や、不測の事故や怪我による身体への影響が暗示されます。
遷移宮(せんいきゅう)―額の両側―いわゆる額における側頭部分を指します。その時々の移動運と居住地から見て遠方にあたる場所との関係を見ます。男性の中にはこの部分が抜け上がるタイプの方がいますが、海外や遠方に関することで幸運なチャンスを掴みやすい相です。
官禄宮(かんろくきゅう)―額の中央―人形相法では「頭部」に当たる位置で、本人の「社会的な顔」を表すところです。ここがオデコで発達している人は目上から引き立てられ、仕事運が強く、名誉や地位を与えられやすいものです。ここが窪むと、役所関連で悩みが生じます。
福徳宮(ふくとくきゅう)―眉尻上部―「福徳」とは現代的には「収入と人気」のことで、主として眉尻上部ですが、その上部までも含む広い範囲で作用することが少なくありません。眉尻に近いほど日常的金運となり、額に上がるほど財産としての所有物を表すことになります。
父母宮(ふぼきゅう)―額中央の左右―位置としては額の中段、両眼の上部の延長線上の辺りです。主として父親が左、母親が右の方に出現します。したがって、この部分にホクロや傷があれば、父母が早くに亡くなっているか、親子関係で何らかの支障を持っているものです。

人形相法による投影

図を見ていただくと分かるように、顔面上に人体を投影させたものが「人形相法(或いは小人形法)」と呼ばれる観方です。古来、秘伝として「望診判断(身体の健康診断)」などに用いられてきました。一説に、これは男性を見る時の観方で、女性の場合は「逆人形法」と呼ぶ、ちょうど逆立ちをしたような観方に変える―と云う説もありますが、私は当てはまらないので採用していません。
人形相法を使って観察すると、その人の身体がそのまま投影されていていることは事実で、たとえば片腕に支障があると眉に切れ目や乱れがあり、眉尻が完全に消えてしまっている場合は掌が欠けている形で、天から与えられる「贈与運」に乏しく、金銭的苦労が多いものです。眉間やや下部左に位置する部分に赤色や暗蒙色が現れると、心臓疾患の病を抱えているものです。鼻柱途中に傷がある場合は、胴体にも傷跡を持つ場合が多く、大きな怪我や事故、さらには手術痕があるケーも見られます。小鼻から両側に垂れる筋(法令線)は、足腰の強さや行動半径と関係が深く、線上にホクロや傷があれば肢に何らかの支障が出ます。女性でも足腰に自信があって職業意識の強い人は、法令線がクッキリとし、日頃から行動半径が広いものです。笑っても法令線がクッキリ出ない人は、両脚が欠けているようなもので、社会における自分の立ち位置を欠いているものです。サッカーの中田英は、法令線がクッキリとしていません。誰もが認める世界的サッカー選手でしたが、若くして燃えつき引退し、その後は世界各地を放浪し続けて、何をやるか定まっていないようです。人形相法では誰もが両脚を開いて立っていることになります。そこで女性の場合、人相上「人中」と呼ばれる鼻から口を繋ぐ溝部分は「膣、及び産道」を意味するものです。人中を欠いている女性は、産道を欠いていることになるので妊娠・出産できません。ただ、実際に妊娠して胎児が成長してくると、その胎児の画像は人中ではなく、子宮・下腹部を意味する鼻頭部分に丸く出現することになります。

顔面における五官三部の八卦配当

2015-11-04

顔面における五官三部の八卦配当

【顔面上の五官】
人相上で云う五官は、一般的に云う「五官」とは異なり、顔面上の「眉」「目」「鼻」「口」「耳」の分解された「五つの形ある部位」を指して用います。これらの形状やバランスが、顔面の印象や美醜に大きく関わっていることは間違いありません。ちょうど正月の遊びで用いる「福笑い」の時の各部位のように、或いはモンタージュ写真の合成された各部位のように、顔面上のどこにどのような五官を配置するかによって、機械的なロボットではない人間の個性的な「顔」が誕生してくるのです。

【顔面上の三部】
人相上で云う三部は、すでに述べた「顔面の横区分」とは異なり、顔面を構成する外観(輪郭)部分を、「額部」「頬部」「頤部」の三つに分解いたします。このように分解すると、顔面の外観(輪郭)部分が、これら額や頬や頤それぞれのパーツを上手に組み合わせて成立している作品であることに気付きます。
つまり、ここで云う「額部」「頬部」「頤部」は、決して顔面上をただ単に切り分けた横区分としての「天停」「人停」「地停」と同じではないことを理解してほしいのです。

【顔面上の八卦配当】
五官・三部が出そろったところで、これら八つのパーツに、易の八卦を当てはめていきます。古代中国で誕生した易の八卦は、陰陽・五行と並んで中国・韓国・日本など、東洋系占術のルーツです。世の中のあらゆる現象を、八つの自然界の現象「天」「沢」「火」「雷」「風」「水」「山」「地」に当てはめて解釈しているのが易の八卦です。
奇妙と云えば奇妙なのですが、顔面上の五官・三部の八つのパーツは、易で用いる八卦の象意解釈と重なり合う部分があまりにも多いのです。そこで図解したように、八卦を顔面上の五官三部に当てはめることで、人相判断に用いようと云うのが「五官三部の八卦配当」なのです。実は、江戸時代の著名な観相家であった山口千枝や、大正時代の目黒玄龍子や、昭和の中村文聡などが、これを試みているのですが、いずれも完全には当てはめ切れずにいたものです。

「額部」 「天」(最も上に位置していて、天の象意である神仏の意味もある)
「頬部」 「雷」(雷の象意である「怒り」を表す拳骨(げんこつ)に似た形象をしている)
「頤部」 「地」(最も下に位置していて、地の象意である居住地の意味もある)
「眉」 「風」(風の象意である「見えない動き」を表す、血液・神経の集積としての眉)
「目」 「火」(火の象意である「タイマツ」と同じように、モノを観察する働きを持つ目)
「鼻」 「山」(山の象意である「高い・頂き」と同じく、顔面上で高くそびえている鼻)
「耳」 「水」(水の象意である「穴に向かう性質」と同じで、構造的にも穴を持つ耳)
「口」 「沢」(沢の象意である、「モノが集まる性質」と同じで、食物を運び入れる口)

このように当てはめていくのが、両方の性質から云って、最も自然であると思われます。
易の八卦は、陰陽・五行とも結びついています。
そこで五官は、八卦に当てはまると同時に、五行にも当てはまるものです。

「眉」 「風」 「木」(眉は樹木のように根を持ち、草のように密生します)
「目」 「火」 「火」(易と同一です)
「鼻」 「山」 「土」(鼻は気学九星盤の「五黄土星」のように、顔面の中央にあります)
「耳」 「水」 「水」(易と同一です)
「口」 「沢」 「金」(口の中には金物包丁と同じ役割を持つ「歯」が存在しています)

【気血色の八卦配当】
実際の鑑定では、八卦配当を試みた顔面上の各部位に対して、どのような気血色が出現しているかによって、種々の判断やアドバイスを行います。気血色と云うのは、簡単に云えば個々の部位に現れる「部分色」だと理解してください。大体、次のような気血色が出現しやすいものです。

「赤色」 真っ赤に近い赤色と、朱色に近い赤色とがあります 「離(り)」色
「蒙色(もうしょく)」 灰色に近く曇ったような印象の色 「巽(そん)」色
「青色」 薄い青白色と、薄紫に近い印象の色とがあります 「辰(しん)」色
「暗色(あんしょく)」 汚い印象で青黒く感じられるような色 「坎(かん)」色
「黄色」 淡く輝く黄金色と、やや汚い枯葉色とがあります 「坤(こん)」色
「白色」 銀色に近い美しい白色と、白骨色とがあります 「乾(けん)」色
「桜色」 淡い透明感のある桜色と、明るい桜色とがあります 「兌(だ)」色
「銅色」 土色に近い銅色と、赤色が混じった銅色とがあります 「艮(ごん)」色

五官・三部の各部位に対して、これらの気血色が出現した場合、五官・三部の方の「八卦」を「内卦」(下の八卦)とし、気血色の「八卦」を「外卦」(上の八卦)とし、上下を合わせて「64卦中の一つ」を表出させて判断していく高度な占断秘法です。

顔面上の横区分と縦区分

2015-11-04

顔面上の横区分と縦区分

人相観察の第一歩は、顔面上に仮想線を引くことから始まります。
 
【顔面の横区分】では、額生え際から眉までの範囲を「天停」とし、眉下から鼻先までの範囲を「人停」とし、鼻下位置から頤先までの範囲を「下停」とし、天・人・地の三停(さんてい)とします。これは古典的な中国観相術にならった分類方法です。古典的な観相術ではここまでなのですが、波木流人相術では、これらをさらに三分割していきます。額生え際を「天停天位」、額の横中央一帯を「天停人位」、額下部の眉骨部分を「天停地位」と云う風に三分割します。これは同じ天停の範囲内であっても、天位と人位と地位とではその役割(意味合い)が異なるからで、「人停」や「地停」においても、「天位」「人位」「地位」に三分割します。

元々、古典観相術において、天・人・地の三停に分けたのは、「天(上・空)」に関係していると思われる「神仏」や「先祖」や「目上」や「官庁」や「天災」や「名誉」や「遺産」や「恩恵」などの事柄が天停部分に示され、「(本)人(事)」に関係していると思われる「対人」や「自我」や「世間」や「恋愛」や「親戚」や「健康」や「競技」などの事柄が人停部分に示され、「地(所・下)」に関係していると思われる「住居」や「子孫」や「家庭」や「河海」や「ペット」や「近隣」や「部下」や「下肢」などの事柄が地停部分に示されるからです。

さらに、それぞれの三停の中でも「上」「中」「下」で明らかに役割(意味合い)が異なり、たとえば「天停人位」では、同じ「目上」であっても「職場の上司」とか「父親・母親」とか「叔父・叔母」とかであって、「神仏」や「先祖」や「祖父・祖母」は「天位」の方に示され、「職場の先輩」や「兄・姉」や「甥・姪」は「地位」の方に示されるからです。従って「人停人位」には「本人の人事」つまり「自我」の強弱が示され、鼻柱中央やや上部の骨が突き出ている人は自我強く戦闘的です。同じ横一帯「人停人位」に属する耳の内郭が外輪よりも外部に飛び出ている場合も、勝ち気で自己主張の強い性質となります。この横一帯には「頬骨」も属していて、頬骨の中央がやや上部に寄って目立つほど突き出ていれば頑固一徹で喧嘩っ早く、何事も強引過ぎて世間・周囲と衝突しやすいものです。つまり「人停人位」には「鼻の骨」や「耳の骨」や「頬の骨」が属し、それぞれが自我を前面に出してくる部位なのです。
 
【顔面の縦区分】では、平均的な眉間の幅をそのまま縦に引き伸ばした仮想線の内側領域を「中央面」と呼びます。当然、この中央面の中心を走るのは顔面を左右に分ける線となりますが、この中心線は、古典観相術でも着目されていて「正中線」と呼ばれていました。厳密にいえば眉間幅の中央面も、正中線によって二分されるわけですが、実占上では左右に分けることなく観察するので、一体化した領域として記述しておきます。顔面を横から見た場合、当然のことですが「中央面」がもっとも高い位置を占めます。

その「中央面」の左右に位置するのが「左正面」と「右正面」の縦領域です。この正面部位の外側ラインの基準位置は平均的な両目尻の処とします。そして、この仮想線からさらに外側領域が「左側面」と「右側面」になります。この側面領域は、顔面が立体化していれば真正面から見た場合、明確には観察できない領域に当たっています。その代わり、横顔として捉えた場合は十分に観察できる特徴を備えています。

つまり、顔面における縦区分では、「中央面」は真正面からでも真横からでも観察対象とすべき部位を備えており、左・右「正面」は真正面からの観察が重要な部位を備えており、左・右「側面」は真横(或いは斜め位置)から観察対象とすべき部位を備えている、と区分して捉えることが出来るのです。

そして、その違いは、真正面からの観察を必要とする領域は「社会生活・履歴生活」と密接に関係し、謂わば「表向きの顔」であり、真横からの観察を必要とする領域は「私生活・精神生活」と密接に関係し、謂わば「プライベートで見せる顔」であり、その両方の観察を必要とする領域は「運命・生涯」を左右する人生の歯車的な役割と関係している、と云えるのです。

ホロスコープ相性診断-VOL.8

2015-11-04

女性MNさんの出生ホロスコープでは、金星は「おとめ座」4度にあって、火星と120度、ASC(アセンダント・上昇点)と120度、太陽と30度、天王星と30度、土星と120度、月と135度と多数のアスペクトを持って生れていて、恋愛・結婚等の愛情関係が、彼女の人生上、大きなウエイトを投げかけていることを暗示しています。一方、男性NSさんの方の金星は「やぎ座」6度にあって、自らの惑星達とは、アスペクトが乏しいのですが、ドラゴンヘッドと150度となっていて、秘教占星学で前世的な縁が作用するといわれる恋愛に関わりやすいタイプです。その彼のドラゴンヘッドは、彼女の金星に対して90度、太陽・天王星に対して120度、月に対して45度、ASC(アセンダント・上昇点)に対して150度、土星に対して30度と、深く絡みついています。したがって、いったん付き合いが始まった場合、そう簡単に離れられる二人ではありません。

しかも、二人の付き合いが始まった平成10年9月5日は、トランジット(通過中)の土星が「おうし座」3度にあって、女性MNさんの金星に120度、太陽・天王星に150度、火星・ASC(アセンダント・上昇点)に120度、ドラゴンヘッドに45度、出生時の土星に0度なのです。このとき、男性NSさんの出生時惑星には、天王星・冥王星に対して135度、土星に対しては72度アスペクトです。このような点から考えると、この恋愛は、女性MNさんに対して、より大きな影響力を投げかけているだけでなく、土星の影響下に始まっているだけに、重く、深く、陰鬱な作用を長期的に及ぼさずにはおかないのです。

実際にはどうかというと、同じ職場における上司と部下との関係の中で、男女関係が生れ、彼の結婚後も関係が続いていたのです。ところが、今年になって、二人の関係が奥さんに知れるところとなって、結果的に、彼女の方は、そのことばかりではなく、職場を離れることとなったのです。通常なら、ここで二人の関係も終わるはずなのですが、そうなっていないのは、土星と、ドラゴンヘッドの結びつきがあるからと思われます。そのトランジットの土星は、彼女が退社したとき「かに座」7度にあって、彼女の出生時の土星に60度、彼の出生時の土星に120度です。そして、彼女の出生時のハウス位置上では、今年は俗に「結婚のハウス」と呼ばれる第7ハウスに入室し、2006年の夏くらいまで脱出できません。このような土星の移動から考えると、彼女の中では「パートナーを失う苦しみ」を味わう時期に至っていた、といえるかもしれません。さらに、この位置の土星は、彼の方の出生時の金星に対しても180度アスペクトを投げかけていたのです。したがって、彼にとっても、恋愛をストップさせられる時期にあったといえるでしょう。尚、彼の場合、出生時の月に対して、昨年から土星は0度アスペクトの位置関係にあったので、家庭的問題は昨年から既に出ていたよう推測されます。

又、今年は、トランジットの天王星が彼女の出生時の金星と180度アスペクトに位置しています。さらに、彼の出生時の金星に対しても、60度アスペクトです。このように、彼の側にとっても、今年は、トランジットの土星、天王星、その両方が180度、60度と特別な配置となっていて、二人共に、別れを促される状況が、星の配置からは訪れていたといえるのです。したがって、もし、二人が永遠の別れに向かうとすれば、今年しかないのです。今年を経過しても尚、二人の間に付き合いが続いていたとすれば、それはもう宿命的な結びつきとなって、憂鬱な翳りを宿しながら、いつまでも腐れ縁のように続いていくのに違いありません。

ホロスコープ相性診断-VOL.7

2015-11-04

YTさんの出生ホロスコープでは、おひつじ座9度の太陽が、土星と120度、冥王星と180度で、真面目で物事を掘り下げて考えやすい性質を物語っています。また、自分自身の真のトラウマを捜し求めようとする精神も顕著です。その根底には、自分を変えたい、という願望が潜んでいます。出生図では、海王星が第5ハウスにあって、理想と幻想の谷間で、感傷的になりやすい恋愛傾向が示されています。

一方、TNさんの出生ホロスコープでは、ふたご座7度の太陽が、海王星と150度で、理想主義者であり、どこまでも夢を追い続けているタイプです。ふたご座0度の金星は、木星に対して150度で、優しいけれども、多情で、やや浮気っぽい傾向が示されています。

二人のホロスコープを重ね合わせると、YTさんの金星は、自分の出生図ではアスペクトが乏しいのに、TNさんの出生図では、多数のアスペクトが生じます。つまり、YTさんの金星に対して、TNさんの土星が90度、太陽が45度、水星が60度、月が90度、天王星が120度、冥王星が135度、ドラゴンヘッドが150度、となっているのです。

これに対し、TNさんの方は、金星ではなく火星が、その役割を果たしているように思われます。自分の出生図ではアスペクトが乏しいのに、YTさんの出生図では多数のアスペクトが生じているからです。つまり、TNさんの火星に対して、YTさんの太陽が0度、木星が45度、土星が120度、冥王星が180度、天王星が150度、海王星が120度、となっているからです。

これらを整理すると、女性側の金星が、男性側の種々の惑星に対してアスペクトを持ち、男性側の火星が、女性側の種々の惑星に対してアスペクトを持っている奇妙な相互関係、といえるかもしれません。

さらに、TNさんの金星が、YTさんの木星に対して0度となっていて、太陽に対しても51度26分(天球を7分割した時にできる特殊な角度)のアスペクトを生じています。二人の木星同士も、150度アスペクトを作っています。加えて、YTさんがTNさんに、のめり込み始めたとされる2003年7月は、トランジットの木星が、YTさんの金星に対して120度、ASC(アセンダント)に対して0度で、愛情・恋愛運を大いに刺激し、増大させていた時期でもあるのです。同時期には、トランジットの火星が、YTさんの出生図の火星位置を通過していた時期でもあります。このように、元々強い「縁」を持って生まれている二人ではあるのですが、それが特にこの時期のトランジットに刺激され、より決定的になった、といえるのかもしれません。

ホロスコープ相性診断-VOL.6

2015-11-04

T・Sさんのホロスコープでは、太陽はみずがめ座16度にあって、木星と135度アスペクト。金星はやぎ座29度にあって、月と90度、冥王星と150度(共にズレのない正確なアスペクト)、木星と120度、土星と45度、海王星と90度、天王星と180度と、沢山の惑星とアスペクトを形作っています。このように、金星が多数のアスペクトを持っているのは、交際関係活発で、さまざまな人たちと交流を持ち、愛情面は複雑となりやすく、何らかの芸術的趣味を持っている人の星相です。

それに対し、H・Eさんの方は、太陽はかに座18度にあって、海王星と120度、金星と30度、天王星・冥王星と60度、木星と0度、月と90度と、沢山の惑星とアスペクトを形作っています。太陽が多数のアスペクトを持っているのは、華やかさを備えた個性派で、社会的人気や名誉を得られやすく、幸運な人生を歩んでいく人の星相です。金星はふたご座17度にあって、太陽以外では、天王星・冥王星と90度、海王星と150度、月と60度アスペクト。T・Sさんと比べるとやや少ないといえますが、それでも五惑星とアスペクトを形成しています。

二人の相互アスペクトを見ると、T・Sさんの方は太陽が、H・Eさんの方は火星が、それぞれ相手惑星へと強力に働きかけているのが判ります。また、前世的な関わりを示すとされるドラゴンヘッド同士が、180度で向かい合っています。これでは、簡単に離れられません。

T・Sさんの太陽は、H・Eさんの金星に対して120度、火星に対して135度、木星・太陽に対して150度、冥王星・天王星に対して150度、海王星に対して90度、土星に対して45度と、実にさまざまな惑星に対してアスペクトを形作っているのです。これだけ、蜘蛛の糸のように縁が張り巡らされるのも稀にしか見受けられません。これは、T・Sさんの個性や地位や人生目的に、H・Eさんが無意識に惹き込まれてしまう事を物語っています。

一方H・Eさんの火星は、T・Sさんの金星に対して150度、太陽に対して135度、月に対して60度、冥王星に対して60度、木星に対して90度、海王星に対して120度と、これまたさまざまな惑星に対してアスペクトを形作っているのです。これらは、H・Eさんの情熱や肉体や性的魅力に、T・Sさんが無意識に引き寄せられてしまう事を物語っています。

男性対男性の恋愛の是非は別にして、これだけ各惑星同士が密接に結びついていると、いったん結びついてしまうと、余程のことがない限り、別れる方向へ進むとは考えられません。ただ、二人の場合には、実際には二人だけの関係でいるよりも、かえってもう1人誰かが常に加わっている方が、安定した関係が継続される、と示されています。つまり、どちらかが結婚していたり、別な恋人がいたりするほうが良い、ということなのかもしれません。初詣に、二人で一緒に出掛けると愛は永続化されそうです。

ホロスコープ相性診断-VOL.5

2015-11-04

カスミソウさんのホロスコープでは、太陽は「かに座」6度にあり、水星と0度、MCと0度、天王星と60度、火星と30度、土星と120度、のアスペクトをそれぞれ持っています。これは、彼女が几帳面で、気配り上手で、やや神経質なところをもち、自立心が強く、真面目で忍耐強く、気が付いたことは口に出さなければ気が済まない性質を持っていることを示しています。一方、石さんの方は、太陽が「さそり座」16度にあり、海王星と0度、天王星と60度、冥王星と60度、のアスペクトをそれぞれ持っています。

これは、彼が頑固な一面と、デリケートな一面とを併せ持ち、プライドが高く、夢と理想を追いかけ、対人関係をやや苦手としていることを示しています。このように、お互いの太陽の位置も、そのアスペクトも大きく異なっていて、一見あまり一致している、と思われるようなところは少ないようです。共通しているのは、共に太陽と天王星とが60度アスペクトであること。共に水星と火星、及び水星と土星とが、それぞれアスペクトを持っていること。カスミソウさんの方が、金星が月に対して135度のアスペクトを持っているのに対し、石さんの方が、金星が土星に対して135度のアスペクトを持っていることです。そして、カスミソウさんの金星が石さんの土星に対して120度アスペクト、石さんの金星がカスミソウさんの月に対して120度アスペクト、と互いに共通アスペクトで結ばれていることです。また、カスミソウさんの方が、火星と土星が90度アスペクトなのに対し、石さんの方は、火星と土星は180度アスペクトです。

これらから考えると、お二人の場合、性格的には必ずしも一致せず、相性の良い組み合わせとはいえないのですが、やはり運命的には強い結びつきを持って結ばれている、といえそうです。ただ、セックスは期間をあけて交わる形で、そうしないと上手く行きません。むしろ、仕事面などで関わりあうと、かえって精神的繋がりが増す組み合わせのようにも思えます。

ホロスコープ相性診断-VOL.4

2015-11-04

夫であるキムサンの出生ホロスコープでは、「てんびん」4度に位置するドラゴンヘッドは、同じ「てんびん」6度に位置する火星と0度アスペクト、「さそり」5度に位置する海王星と30度アスペクト、「おとめ」4度に位置する冥王星と30度アスペクト、「結婚のハウス」として知られる第7ハウスカスプ(「かに」5度)に90度アスペクトとなっています。

次に、妻であるキムコさんの出生ホロスコープでは、「みずがめ」4度に位置するドラゴンヘッドは、「おうし」4度に位置する火星に90度アスペクト、「いて」5度に位置する海王星と60度アスペクト、「てんびん」1度に位置する冥王星と120度アスペクト、そしてキムサンの第7ハウスカスプ(「かに」5度)に150度アスペクトとなっています。

ドラゴンヘッドは、占星学的に「対人交流点」としての意味合いが強く、人と人とを結びつける重要なポイントです。秘教占星学においては、前世における因果応報が表われる神秘的なポイントで、ドラゴンヘッドによって結び合わされた縁は、現世においてある程度まで前世の応報が果たされるまでは、決して二人の縁が解かれることはない、といわれています。

お二人の場合、互いのドラゴンヘッド同士が120度アスペクトであるばかりでなく、キムサンのドラゴンヘッドは、キムコさんの火星に対して150度アスペクト、海王星に対して60度アスペクト、冥王星に対して0度アスペクトとなっています。一方キムコさんのドラゴンヘッドは、キムサンの火星に対して120度アスペクト、海王星に対して90度アスペクト、冥王星に対して150度アスペクトとなっています。これだけドラゴンヘッドが絡み合うと、いったん結びついた縁は、容易なことでは解けません。

前世における因果応報から縁が発展しているだけに、実際の二人の関わり方においても、過去を振り返ることが多くなりやすいのが特徴です。戻りたい、戻れない、といった状態を生み出しやすいのです。あいまいなままの状態は不幸を招きやすいようです。常に足枷のある状態の中で、過去からのスムーズな脱出ができれば幸福をつかめるでしょう。

運気的に見ると、トランジットの土星が昨年10月以来、キムサンの第7ハウス付近にあって、パートナーを遠ざけがちです。お二人の場合、仕事面で二人が何らかの関わりあるほうがうまくいきます。宗教や思想などの面で繋がりある場合もうまくいきます。一時的に窮地に追い込まれても、再出発を誓えば幸運が訪れる組み合わせです。

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