4月, 2021年

今も4000年前の王が「エジプト」国民を養う

2021-04-05

われわれは普段「先祖」というものの存在について、あまり深く考察することはない。けれども、よくよく考えると、われわれが今あるのは“先祖たちのお陰”であることは間違いがない。その先祖たちが、今も働いてくれて、莫大な収入をもたらしてくれているのが「エジプト」という国である。観光の国はどこもそうだが、普段は恩恵をそれほど感じなくても、人の移動が制限されて“観光収入”が見込めなくなると、途端に痛いほどそれを感じる。「現代エジプト」を観光したい人はほとんどいない。世界中の人達がやってくるのは「古代エジプト」の“王”や“王妃”や“王朝の遺跡”を視たいからである。つまり、莫大な観光収入は“偉大なる先祖”たちが、未だに稼いでくれるからなのだ。それが、このところストップしている。世界中の観光地がそうなのだから致し方ない。そこで、早く“本来の姿”に戻ってほしいとの願いを込めた“一大イベント”が企画された。古代王朝のミイラ22体を、老朽化した「エジプト考古学博物館」から新しく完成した「エジプト文明博物館」へと“華々しく移転させるパレード”だ。カイロ市内にある現在の博物館から、ちょっと郊外の博物館へ5㌔の移動となる。これを1000名以上に及ぶ古代衣裳に仮装したエキストラまで使って、この日のため特注した「黄金の車」22台を使って、最新の音響・映像効果まで使って“華麗なるお引越し”を、4月3日の夜に行ったのだ。もちろん、それは偉大なる古代の王たち=先祖たちのために行ったのだが、もちろん国家行事として莫大な費用を投じて行ったのは「世界へのアピール」が一番なのだ。“エジプト好き”の人達に、“ファラオ好き”の人達に、戻って来てほしいがためのイベントなのだ。けれども、そういう意図はあったとしても“素晴らしい移転行事”となったことは間違いがない。私はYouTube動画として配信されたものをTV画面で観たが、文字通り“ファラオ達の移転”に相応しい荘厳さであった。おそらく日本のオリンピックは、このような華麗さを演出できないだろう。もし、日本が「ファラオ」に対抗して「卑弥呼」を登場させることが出来れば、少しは対抗できるのだが…。

「ニュース番組」が“一律”の時代は終わった

2021-04-04

先週からテレビ東京系「WBS(ワールドビジネスサテライト)」の時間枠が移り、テレビ朝日系「報ステ(報道ステーション)」と同じ時間枠へと移った。テレビ東京としては、新たに佐々木明子アナや田中ひとみアナを投入して、視聴率争いに出た、と言ってもいい。元々テレビ東京は「日本経済新聞社」を背景に成立している放送局で、テレビ朝日が一応「朝日新聞社」を背景としているより“強固な関係性”にある。したがって、ビジネスニュースに関しては絶対的な自信を持っている。ところが、日経新聞の読者にはお年寄りや企業経営者が多く、朝には強いが夜には弱い。真夜中まで飲み歩いている経営者は少ないのだ。したがって午後11時スタートの「WBS」では本来見てくれるべき人達になかなか“視てもらえない”ということが多かった。そこで思い切って「報ステ」の時間枠にぶつけてスタートさせる方針に切り替えた。その初週の視聴率数値が出た。残念ながら、両方の“ニュース番組”とも視聴率自体は、そんなに変化していない。ただ、その内訳は大いに違っていたようで、ビジネスに関心の強い人、会社経営者、自営業者では、明らかに「WBS」の方に軍配が上がっているようだ。元々「テレビ東京」の番組はそういう人達に“好まれる番組”が多い。昔から電車通勤の人達で、それなりの出世や成功をしている人たちは日経新聞を読み、出世に関心のない人たちはスポーツ新聞を読む、と言われている。同じようにTVのニュース番組でも“ビジネス”や“経済”に感心の強い人達は、テレビ東京の「WBS」を視て、普通の暮らし向きに感心の強い人達は「報ステ」を視る、という風に変わっていくかもしれない。近年はTOKYO MX「5時に夢中!」のような“個性的なニュース番組”も出てきている。純粋なニュース番組とは言えないかもしれないが、“さまざまなニュース”を取り扱っていることは間違いない。私は、同じニュースでも“さまざまな取り扱い方”があって良いと思っている。どのテレビ局でも“同じニュース”を“同じ角度”からだけ伝える時代ではなくなりつつある。「多様な生き方」を認めるのであれば、もっと“偏った意見”とか“見方・考え方”とかがあって良いし、編集の仕方があっても良い。例えば、午後四時台から流している“情報番組”を視るのは、大きく分ければ“専業主婦”と“夜のお勤め”の女性達が多い。そうだとすれば、完全にどちらかに的を絞ったニュース・情報番組があっても良い。ビジネスニュースも、完全にビジネス・経済・経営者に特化した形にしてみるのも、面白いのではないだろうか。

バブルの歩みに「北の国から」が涙を誘った

2021-04-03

人間というのは、ほんとうに苦しい時には“苦しいもの”を見ようとしない。ほんとうに貧しい時には“貧しいもの”を見ようとしない。そういう習性を持っている。つまり、ドラマ「北の国から」は日本が高度成長期の“ど真ん中”にあった80年代だったから、大ヒットしたのだった。ちょうどバブルに差し掛かる時期で、誰もが日本の“勢い”を信じていた。だから、精神性の強いドラマに、北海道の原野を逞しく切り開いて、貧しくても“家族の絆”を重視する生き方が、お茶の間に感銘を与えることが出来たのだ。似たような存在に「オウム真理教」もあって、同じ頃、急速に勢力を伸ばした。ヨガ仲間達との“精神共同体”を原野の中で作っていこうとした“新興宗教”に若い賛同者たちが集まった。それが「オウム真理教」の出発点だった。「北の国から」も「オウム真理教」も、日本のバブル期の歩みの中で“花開いた”異色の輝きだった。さて「北の国から」では何と言っても主演の田中邦衛氏の“名演技”が光った。その田中氏が3月24日に“老衰”で亡くなっていたことが昨日公表された。あの独特の“語り口”は、頑固一徹ともいうべき主人公の“生き方”に似合っていて、だから多くの人は共感を得た。茶の間に居ながら視る、北海道の“厳しい大自然”と闘う姿には、何とも言えない“癒す力”が存在したのだ。既に88歳になっていた田中邦衛氏は、その晩年は引きこもって、誰にも逢おうとはしなかったらしい。もしかすると、あまりにも強烈だった「北の国から」のイメージを、振り払いたくても、もはや振り払うことが出来ない自分との間で葛藤が生じていたのかもしれない。あの当時「オウム真理教」に、一時的にでも所属していた人たちはどうなのだろう。もはや教祖も亡くなって「呪縛」は解けたと思うが、どう気持ちを立て直し、通常社会へと戻ったのだろう。いや、もしかしたら、現在でも“何らかの呪縛”を引き摺って生きているのか。一般にバブルは“経済的な悲劇”ばかりが報道されるが、その陰で“ココロの疵”も引き摺っていたりするのだ。

「真空飛び膝蹴り」居なくなって“嵐”も消えた

2021-04-02

「疾風」という言葉があるが、日本におけるキックボクシング界の沢村忠氏の“出現”と“幕引き”は、まさにそういう感じだった。一時期“行方不明説”や“死亡説”が流れて、その後の消息も知れないままだったので、或いは“噂”は真実だったのではないか、と私などは思っていたものだった。今でこそ日本の格闘技はさまざまな分野が競い合っているが、1970年代には“ボクシング”と“プロレス”と“キックボクシング”の三つしかなかった。「キックボクシング」は、タイの「ムエタイ」にヒントを得て多少“日本流”にアレンジした部分があったように思うが、“新しいスポーツ”としてTVに登場した。そのレジェンドが沢村忠氏だった。彼の出現によってキックボクシングは一躍“人気格闘技”として脚光を浴びた。一つには彼が連戦連勝で、無敵の強さを誇り、その決め技としての「真空飛び膝蹴り」が見事なまでに決まって相手選手が倒れ落ちていく姿が、多くの若者を熱狂させたのだった。その沢村忠氏が肺がんで3月26日に亡くなっていたことが親族により公表された。過去の“行方不明説”や“死亡説”は、何だったのだろう。一つには、そういう噂がまことしやかに思えるほど“突然引退”したからだ。おそらく、その引退もやみくもに包まれるような形で、公式の引退発表はなかった。何度か“敗れて”消えていったのではなく、突然TVに出なくなった。何かがあったからだろうが、その後も「キックボクシング」は番組として続いたが、まるで“嵐”が去ったように、ブームは消滅していった。そして、ほどなくしてTV番組も消えてしまった。謂わば、最初で最後のキックボクシング界の寵児だったのだ。時々、どんな分野でも「ブームを引っ張っていく人物」というのが出現する。その人物が出て来たことで、その分野自体が脚光を浴び、その人物が消えてしまうと、あっという間に“世間のブーム”自体も火が消えてしまうのだ。そういう人物は「それに魂を賭けている」場合が多い。ただ一人からでも“開拓”は可能なのだ。

予測以上の速さでドルは「110円」を突破した

2021-04-01

私はドル円相場が、もしかしたら今年中に「115円」くらいまで“ドル高”に傾くかもしれない、と予測した。ドル円が今年正月102円までの“円高”で止まって、それから急に“歩調”を変えだして“円安”方向に動き出した頃のことである。もっとも、それまでずっと“円高”方向で来ていたから“円安”方向に動いて欲しいという個人的な願いも多少加わっていた。その頃、アナリストなどの多くは「今年度内95円説」を流していて、今年中に100円を切って95円まで“円高”が進むだろうと予測していた。「日本国」にとって“円高”はマイナス要因が多い。技術輸出国である日本は為替が“円高”方向に触れると、海外から見れば「高い製品」が多くなるので敬遠される。つまりは“売れなくなる”のだ。日本製品が海外に受け入れられるためには“円安”の方が断然有利なのだ。「日本株」にしても、海外の投資家たちは“ドル建て”で比較するケースが多い。そうすると“円安”に触れれば触れるほど、海外投資家から見れば「日本株」は“安く”映る。われわれだって海外旅行をした時、海外の品物を“円換算”で「高い・安い」を判断する。それと同じで、海外投資家も“ドル換算”で「高い・安い」を判断する。なにしろ、日本株の6割は海外投資家に握られているのだ。彼らが“売り”続ければ「日本株」は下落し、そうするとその半年~一年先になって「日本景気」が悪化する。そういう仕組みになっているので、外国人に“買ってもらう”ことはとても大切なのだ。金利動向の関係で、現在は必ずしも“円安”だから即買ってくれるとは言えない局面だが、長期的に観れば、必ず“円安”の方が日本には有利なのだ。金利動向の関係で、最近は“成長見込みのない企業”の株が買われ出したりしているが、あくまでも一時的な現象に過ぎない。さて、私は「115円」と予測していたが、このまま進めば「120円」まで動く可能性も出て来た。アメリカ株の“勢い”に陰りが出て来た時、日本株に“勢い”が出てくるようなら、世界から注目されるのだが…。

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