8月, 2024年
2024-08-07
「九死に一生を得る」という言葉がある。通常なら死んでしまうような状態の中で、死なずに済んでいた過去を物語る表現だが、多くの人は、そういう経験をすると「神仏の存在性」を感じたりする。特に、母親が自分の子供に対して、そういう想いを抱くケースは多い。ここに奇妙にも、両方とも今年の5月に“似たような体験をした母親たち”がいる。その一人であるエレーヌさんの場合は、自分の自閉スペクトラム症を患っている息子エンゾ君(4歳)が、自宅マンション16階の窓から転落してしまった事件だ。息子は何らかの偶然から自室ドアの鍵が掛かって出られなくなってしまったことで発生した。息子は激しく泣きわめいていたが、父親が強引に錠を壊して扉を開けた時には、もう居なかった。パニックになったエンゾ君は窓を開けて外に飛び出してしまったのだ。当然、4歳児は43m下に転落した。ただ1階が薬屋になっていて、その薬屋の屋根には芝生が敷き詰められていた。それが4歳児を救ったのだ。すぐパリの小児科病院へと運ばれ、5日間にわたって精密検査を受けた。その結果、腎臓と肺に少量の出血は見られたが、それ以外は足にかすり傷を負っただけで大丈夫だったのだ。担当した医師は、母親のエレーヌさんに向かって「まさに奇跡です」と報告した。彼女は「これまで神様とか信じたことはなかったが、いまは信じています」と語っている。同じように5階のビルから転落して重体となっていた20歳の女優メイミー・ラバロック氏の母親は、娘が車椅子から独りで立ち上がって歩行訓練を始めたと写真付きで報告している。女優メイミー氏の場合は元々救急搬送されてきた病院で何とか病状を回復し、転院しようとしていた矢先にバルコニーの通路から路上に転落したとされている。自殺だった可能性もある。けれども、重症ではあったがリハビリで歩行訓練ができるまでに回復したのだ。母親のニコールさんは「神様のおかげで娘が生かされたことを感謝します」と綴っている。偶然にも、今年5月に転落して奇跡的に生命を救われた二人の命は、その母親たちの“神への感謝”の中で希望への第一歩を歩み始めている。
2024-08-06
大体が“支持率”とか“人気”とかいうのは不可思議なもので、或る種「運」としか言いようのない部分がある。今月の3日、4日に行われた世論調査で「岸田内閣」の支持率が先月に比べて4.1ポイントも上昇し「31%」に上昇したという。不支持率も5.1ポイント低下して「66%」になったらしい。あまり大きく取り上げられていないが、これは明らかに「岸田内閣」にとっても、首相自身にとっても、自民党という政党にとっても、久しぶりの“明るいニュース”だ。それに伴ってなのかどうか知らないが、自民党そのものの支持率も3ポイント上昇し、その代わりに立憲民主党や日本維新の会の支持率が少しだけ低下した。7月に比べ、8月が何か変わったのかと言えば、日本の「株価が歴史に残る暴落を果たした」とか「日銀が利上げをした」とか「オリンピックで日本の選手たちが頑張っている」とか「最低賃金が上がる」とか……要するに岸田内閣として何かを行ったというわけではない。たぶん、それまでに報道されてきた“政治家たちの問題とか事件とか”が特別なにも起こっていない…という消極的な理由くらいだ。近年はマスコミもネットもいっせいに批判するような事柄が生じやすいので、どうしても“そういうことだけ”が印象に残りやすい。もう少し、報道機関も“政治家たちの良い部分”も報道してあげればよいのだが、とかく“悪い部分だけ”取り上げがちなので、なかなか“印象の良い政治家”が出て来ない。まあ、そういうわけで、比較的ニュースの少なかったことが「岸田内閣」にとってはプラスに働いたのだ。実際には“株価急落”は政治に無関係とは言えないのだが、それでも、海外での紛争とか事件とかが多くなると「平和な日本」を改めて意識し、その舵取り役である「岸田政権」に対して“一定の評価”を与える気持ちが生まれて来るのかもしれない。もし、政治も経済も海外の情勢が不安定で、日本国内が“少しだけ持ち直すような兆し”が出てくれば、よりいっそう「岸田内閣」のポイントは上がって、案外、このまま9月以降も“政権続行”の可能性が出てくる。一つには、岸田氏に代わる人材が見当たらないからだ。これまでマスコミの多くは「自民党政権打倒」に傾いていた。ところが都知事選は奇妙にも「自民党に代わり得る政党はあるのか」という課題をマスコミに突き付けた。なぜか都知事選は、どの政党も50歩100歩だと…いう印象を世間に与えた。なぜなら、もしトランプ政権が誕生した場合、いやハリス政権でもそうなのだが、なんとなく日本人の政治家では、たとえば蓮舫氏のようなか細い身体では、どちらにも太刀打ちできそうにない。だったら、にこやかに愛想を振りまく岸田氏の方が、まだアメリカさんには受け入れてもらえそうで、せめて少しでもゴマを摺って、防衛費を安上がりにしてもらった方が良さそうな……。
2024-08-05
欧州では昔の歴史的な建築物の“修復”がときどき行われる。奇妙なことに、それを行うのは必ずしも“専門の修復師”とは限らない。日本でなら、専門家以外は手を出さないと思うのだが、欧州ではよほど著名な建築物でもない限り、高額となる専門家には依頼をせず、比較的安くても引き受けてくれる身近な業者に頼んだりする。スペインのマドリッドに近いソリアにあるヌエストラ・セニョーラ・デル・ミロ教会でも、このほど古くなった教会の内部を“修復師”ではない“業者”に依頼して修復作業を行った。ところが、出来上がってみると、どう考えても「バロック様式の教会内部」とは思えないような“仕上がり”となっていた。18世紀前半に建てられた教会は、その当時の教会の多くがそうであったように、旧約聖書を題材にした壁画とかフレスコ画とかに満ちていた。古くなって、壁画が判然としなくなったので、だれもが修復の必要性は感じていた。ただ専門の修復師でなければ、実際にはなかなか“当初の雰囲気の壁画”を再現することは難しい。実はスペインでは、ときどき、修復師とは異なる人たちが修復を手掛ける。だから、修復の失敗は今回に始まったことではない。今回の場合、いちばん問題にされたのは「天使の画像」だった。修復された画像は「天使には思えない」「前とはあまりに違いすぎる」「どう見ても天使に視えない」など、信者たちの評判はよろしくない。今回の天使たちは、眉が濃く、そして唇が赤い。それは現代の街中を歩いている“女性の顔”に近い。実際に修復を請け負った人物は、もしかしたら“天使の顔”と気付かず“若い女性の顔”として仕上げてしまったのだろうか。実は、人相学的にも“眉を濃くする”と家系的な影響が強く出て来て「天使」のもつ“非家族性”が失われてしまうし、もう一つの“唇が赤い”のも、肉体的欲求の強い女性の特徴となる。つまり、天使の修復は、ただ単に“女性的な容姿”で描けば良い…というものでもないのだ。どちらかというと、家庭運の薄い、肉体的な欲求の乏しい中性的容貌であることが、それらしく感じさせる秘訣なのだ。眉を濃くして、唇を赤くすると、その画像は「生身の人間っぽく」なり過ぎるのだ。
2024-08-04
アブドーラ・ザ・ブッチャー氏と言えば、70年代から90年代にかけて「全日本プロレス」や「新日本プロレス」で“大暴れ”をした超個性派レスラーだ。特に、来日して間もない頃の日本人レスラーたちを“血だるま”にさせなければ気が済まないような“狂乱ファイト”は強烈に記憶に焼き付いている。私の脳裏に焼き付いている“狂乱ファイト型レスラー”と言えば、このブッチャーと、フレッド・ブラッシーと、タイガー・ジェット・シンの3人だ。何をしでかすかわからない“怖さ”で日本中を席巻した。特にブッチャーの場合、相手も“血だるま”にしたのだが、自分の方も“血だるま”にされてしまうケースも少なくなかった。その結果として、その額には“額が割れた時の傷あと”が無数に残っていて、それがなおのこと、このレスラーに“不気味な印象”を与えていた。ただ、日本に気過ぎたせいか、徐々に“ひょうきんな部分”とか“優しい部分”とかも見え隠れするようになって、若い頃に感じた“強烈な印象”は徐々に修正されるようになってしまった。わたし個人は、最初の頃の“不気味な印象”が徐々に変わってしまったのが残念な気がする。そのブッチャー氏も既に83歳で、現役からは遠ざかっているが、最近、腸の疾患で入院したことを報告している。一時的にはかなり弱っていたようだが、ドクターに許可をもらって一時的に退院して、ノースカロライナ州で開かれた“ファンとの交流”のようなイベントに駆け付けている。もう治ったかのようにアピールしているが、あくまでも一時的な許可を得ての出演に過ぎない。どうして、そんなに無理をするのかというと、彼は長年連れ添った韓国人妻と離婚し、財産のほとんどを奪われて“破産状態”にあるらしい。そこで、友人がクラウドファンディングを行ってくれ、それによって彼に生活資金を与えようとしているのだ。だから、彼としては、是が非でも出席しなければならないイベントだったのである。どうも、格闘家の中には怪我や事故にはめっぽう強いのに「金」と「女」と「病気」には、からきし弱い人たちがいる。そういう人たちの多くが、似たような晩年になる。特に「怪我」には圧倒的な強さを見せるのに「病気」には、たちどころにギブアップしてしまうレスラーが多いのは、なぜか不可思議な感じがする。
2024-08-03
何んとも不気味な“8月入り”と“週末”とを迎えている。世界的に株価が急落しているからだ。「世界同時株安」というのは、何年かに一度、いや何十年かに一度、くらいの割合で起こっている。今回以前にも「コロナショック」とか「リーマンショック」とか「ITバブル崩壊」とか「ブラックマンデー」とか、いろいろ名前を付けられ世界的に株価が急落したことがある。ただ、今回の場合、名称を付けるのは非常に難しい。まだ、ほんとうに大きく下落しているのは「日本株」だけだからだ。「アメリカ株」はこれからが本番で、いまは“本格下落”に至るかどうか、ギリギリの瀬戸際にある。もし「ダウ」や「ナスダック」が月曜日も“大きく下がる”ようだと、間違いなく「世界同時株安」が本格化して世界中に波及する。なにしろ、欧州株はまだアメリカの影響を少ししか受けていない。日本株の場合には、42000円以上だった3週間前から8月2日までで6300円超も急落している。いったん持ち直しかけた7月末までは“理由のある下落と調整”だったが、それ以降の“大幅な急落や全面安”に関しては、もう理由はない。多くのメディアなどが「理由がある」かのように語っているのは誤った捉え方だ。もっとも、この急落のきっかけを作ったのはトランプ氏の「円安ずるい」発言なので、それが理由だと言えば理由かもしれない。おかげで、その後「円」は急騰し、いまや140円台半ばまで来ている。つい最近まで1ドル=162円近くまで来ていたのが、一気に145円~146円といった付近まで来ている。2週間前まで、過度な円安は「日本経済にとってマイナス」と連日のようにマスコミは騒ぎ続けた。9月以降になれば黙っていても「円高方向」に傾くのに、騒ぎ続けたものだから日本政府も仕方なく“為替介入”をして「円安」を阻止しようとした。そういった矢先にトランプ氏の発言があった。その結果、それまで「円」を売って「ドル」を買っていた投資家たちがいっせいに手のひらを返し始めた。これが「円急騰」のいちばんの理由なのだ。加えて日銀の“利上げ決定”があり、アメリカの“9月の大幅利下げ”が決定的になった。もう、こうなれば「円」を売る“理由”がなくなる。日米の“金利差”を利用し“利ザヤ”を得ていた人達にとって、もう“日本市場”は“旨味のない市場”となったのだ。だから今度は「円」が買われる代わりに「日本株」は売られる。そういう意味では、一見、アメリカ発の株安のように見えるが、実際には日本発の“手の平返し”がもたらした株安なのだ。だから「日本株」がいちばん売られる。しかも“全面安”になる。もし、アメリカが早期に“半導体主導”で持ち直せば踏みとどまれるが、そうでなければ「暗黒の8月」になる。ただ、その期間は長くなく、9月に入れば、必ず、もっとも下がった「生成AI株価」から復活し始めるだろう。
2024-08-02
こういう“場外乱闘”とでもいうか妖しいニュースは、何となく“純粋なるスポーツ”などとは違う「パリ五輪」においては、むしろ“見どころの一つ”になってきたような気がする。ボクシング女子66㌔級で起こった珍事だ。開始から46秒で相手方のイタリア女子選手が試合を棄権した。対戦相手だったイマネ・ケリフ選手が「やはり女子選手に思えない」という理由からだった。奇妙な形となった試合は、当然の結果ならが開始早々ケリフ選手の勝利が場内にアナウンスされた。ダウンを奪ったわけでもなく、レフリーやセコンドが止めたわけでもない。もし異論があるのであれば、もっと早く抗議すべきだった。実際に闘って、パンチを浴びて「こりゃ、やっぱり、女じゃないわ」という感じを得たらしいのだが、闘い出してから、棄権したのだから“明らかに敗れた”としか言いようがない。たとえば、仮に女子が何らかの理由から男子ボクシングのリングに上がったとして、いったんゴングが鳴ったら、もう男子も女子も関係ない。ノックアウトされるまで戦うしかない。格闘技の世界とはそういうものだ。実はアルジェリアのケリフ選手は、昨年の世界大会では性別適格検査において“不合格”となった選手だ。つまり「XY染色体」テストステロン値が高すぎて、まあ「男性過ぎる」ということで不合格だったのだ。だから、パリ五輪に“女子選手”として登場してくること自体が、おかしいという指摘が出るのは当然だった。もっともパリ五輪の基準は世界大会に比べて“緩く”一応クリアしている。だから、別に違反しているわけではない。したがって、途中になって「やっぱりダメです、相手は男です」というのは筋違いなのだ。わたしが、こう書くのには理由がある。なぜなら彼女は女子選手として「優勝できたのか」と言えばそうではないのだ。過去には、ちゃんと彼女と闘って、勝利している“女子選手”も居る。だから、今回だって誰かが勝てるかもしれないのだ。むしろ、だから、どういう女子選手が、このケリフ選手を叩きのめすのか、その崩れ落ちていく姿を観てみたいという不思議な欲求がある。ケリフ選手にしてみれば、こうなったら意地でも「金メダル」を取らないと、国に帰ってみんなから何と言われるかわからない。なにしろアルジェリアの「希望の星⁉」なのだ。
2024-08-01
2024-08-01
よく自分の親を否定している人がいるが、こういう事実を知ると、やはり人間というのは「血は水よりも濃い」で、親の血を引き摺っているのだなぁと改めて感じる。けれども、そうだとすると、わたしの両親はもう二人とも「天国」で、わたしは彼らよりも長生きをしていて、実はそんなに“血を引き摺っていない”のかもしれないなぁと妙な感覚におちいる。あまり“似すぎている”のも嫌だし、かと言って“ぜんぜん似ていない”というのも何となく嫌だ。そんなわけで、中国の女子バスケットボール選手の話だ。と言っても、実は今回のオリンピックには出場していない。彼女はまだ17歳で、これは中国の国内規定でオリンピックには出られない年齢なのだそうだ。だからまだU-18アジアカップに出場したチャン・ツーユウ選手だ。彼女の身長は正確にはよくわからない。彼女いわく「だいたい223㎝から224㎝くらい」ということのようだ。実は、まだ微妙に“伸び続けている”ので、正確な身長は判然としていないのだ。よく、何かの異常から身長が伸びたりするが、そういう“病気的な伸び方”ではないのだという。だからこそ、バスケットボール選手として活躍できる。なにしろ小学生の時点で既に210cmもあったというから、通常なら“病気”を心配する。けれども、彼女の場合には、父親が213㎝で母親が198㎝で両方ともバスケットボールの選手だったのだから、単に“でかい遺伝子”を受継いだに過ぎない。そして、同時にバスケットボールの選手としての遺伝子も受け継いだのだ。だから何も悩むことなく、バスケットボールの道を択んだ。まあ、悩みようがないというか、当然の結果というか、よく言えば「迷いのない人生」と言える。そうなのだ。結局、人は中途半端だから迷うのだ。この少女のように、両親ともバカデカく、バスケの選手なら、それを択ぶ以外にないではないか。他の選択肢を考えられる人がいるのか。そう考えてみると、決められた人生というのも、迷いがなくて良いもんだ。そう、人は中途半端だから迷うのだ。徹底的に「なにか」であれば、もう、その道しかないのだから、その道を歩む。わたしなど、すべてが中途半端だったのに何の迷いもなかった。「父親のようになりたくない…」というのだけが、そこにあった……。
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