時代が進むことで、過去が解かって来る。近年、水中考古学というものが脚光を浴び始めている。これまでは、海の底の探索はいろいろな意味で難しかった。それが、ここに来て徐々に可能となった。その結果、まだまだ知られていないたくさんの遺跡が海の底に眠っているらしいことが判明し出している。トルコ最大の湖として観光客に知られるヴァン湖の海底には、遺跡が眠っているという“地元の噂”は昔からあった。けれども、これまでの調査で考古学者は“噂”を否定してきた。ところが、今回タフシン・ジェイラン氏率いるダイバーチームが大規模な海底調査を行ったところ、約1キロメートルに渡って城壁や要塞のような見事な石組の列が発見された。3000年前のウラルトゥ王国時代の遺跡らしい。街自体が徐々に海底へと埋没したらしいのだ。正直、私は知らなかったが、ウラルトゥ王国というのは、現在のトルコ、アルメニア、イランにまたがる広域の古代国家として栄えていたらしい。したがって今後、さまざまな遺物が湖から引き上げられる可能性がある。多くの学者たちが否定していた遺跡を発見できたのは、ジェイラン氏が“地元の噂”を信じたからである。そう“地元の噂”というのは、頭から否定できないのだ。もしかすると、21世紀はダイバーたちが“遺跡を発見する”時代かもしれない。ギリシャのアレキサンドリアの海岸付近には、クレオパトラの王宮があった…という伝説がある。実際、海岸からそう遠くないところから多数の遺跡が既に見つかっている。ただ予算の関係からなのか中断したままのようだ。このような場所が他にもたくさんあるらしい。財宝を積んだ沈没船の探索と同じで、こういうものは当てずっぽうというわけにはいかない。海底用の高度な探索機が必要なのだ。海や湖の中は、大勢での探索が困難である。引き上げそのものにも時間が掛かる。けれども、案外“お宝”が無傷のまま眠っている可能性は大きい。日本にはそういう“噂の街”はなかっただろうか。遺跡でなくても海底油田や金鉱の発見でも良いから、確実な大発見のニュースが欲しい。
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