事件そのものは2017年9月に埼玉県草加市で起こった。夫の“連れ子”である長男は当時4歳だったが、時々“おねしょ”をした。母親は、それが我慢ならなかった。自分の“産んだ子”でもないのに、自分がその後始末をしなければならない。“前妻の子”であるというだけで、なぜかはわからないが無性に腹が立った。しかも、その子は何度注意しても、それをきちんと聞いている風でもない。「謝りなさい‼」長男は無言のまま後ずさった。それがますます怒りに火を点けた。「悪いことしたでしょ、謝りなさいよ‼」この時、もし、長男が少しでも悪びれた感じで「ごめんなさい」と言ってくれれば、こういうことにはならなかったのだ。長男はこの時、丸くなってクルリと背を向けたのだ。もう我慢の限界だった。母親は長男の背中を足で突き飛ばしていた。体制が悪く、長男は頭を壁にぶつけてうずくまった。背後からは小動物のようにも見えた。前妻も、こういうお尻をしていたのだろうか。一瞬、妙な妄想がよぎった。その瞬間、思わずその股間部分を思いっきり蹴り上げていた。小動物は跳ね上がり、床に突き刺さるように崩れた。長男が、意識障害を起こし、全身まひを伴う急性硬膜下血腫を患った瞬間だった。その日から現在まで、長男の意識は戻らず、入院状態が続いている。実は直接の逮捕容疑は別件にある。元々結婚当初から長男への虐待は続いていたらしい。それに対して、夫は何も気づいていなかったのだろうか。この場合は“夫の連れ子”だが、暴行事件が多いのは“妻の連れ子”の方である。大抵の場合、再婚した夫や妻が“連れ子”に対して“虐待気味”なのは気付いている。気付いていても、それを制止するケースは少ない。どうしてかというと、その虐待が“前妻”や“前夫”に向けられたものであることを何となく感じるからだ。何故なのかはわからないが、後妻として、或いは後夫として一緒になった者は、その前配偶者に“繋がっている存在”に対して優しくなれない。圧倒的に“そういうケース”が多い。ここで興味深いのは長男が亡くなっていないことだ。意識戻らぬまま“生きながらえる形”となれば、それは母親に「刑期」よりもはるかに“重い実刑”として、生涯、背負わざるを得ないことだろう。
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