人には世間的に“目立ちやすい人”と、“目立ちにくい人”とがいる。例えば昨日、1400勝を達成した名人がいるのだが、さて、あなたには誰かわかるだろうか。というか、この報道をあなたは見掛けているだろうか。一応、全国ニュースで流れて良いニュースなのだが、報道機関によっては完全に無視してしまったところも多い。プロとして「1400勝」というのは偉大な数字である。しかも、一応「名人」なのだ。さらに51年間という年数をかけなければ達成できなかった記録なのだ。それにしては何故か“小さな扱い”だ。かくいう私自身も、初めて、その名を知った。小林光一名誉名人(66歳)。囲碁世界で史上3人目の1400勝達成である。結局、どんなに“偉業”でも、その世界の人なら“知っている人”でも、それ以外の人達にとっては「ふ~ん、そんな人いたの」で終わる人物は山ほどいる。もちろん、“名誉名人”というくらいだから、囲碁世界において成功者であることは間違いがない。当然、その才能もずば抜けていたから“プロ世界”で1400勝を達成できたのだ。おそらく収入だって、それなりのものを50年間にわたって得て来ているに違いない。それなのに、世間の“多くの人”にとっては、何も無かったかのように通り過ぎていく。その一方で、大した“数字”は掲げていないのに、やたらマスコミに登場する人達がいる。いつの間にかわれわれに名前を知られ、顔を知られている人がいる。例えば芸人とかタレントとかスポーツ選手などで、大した実績や経験もないのに、誇れるような記録もないのに、それでもいつの間にか「顔」になっている人たちがいる。私は時折、地味な新聞紙上などで取り上げられている人物の“偉業”とか“記録”とかに驚いてしまうことがある。もう少し公平にマスコミは報道できないものなのだろうか。何度も、同じ人物だけを取り上げたり、くだらない一挙手一投足を追いかけたりする報道は「大衆紙」的なものとして、別ジャンル扱いして良いような気がするのだ。もちろん、地味な報道すべてになってしまうと、それはそれでつまらない。だからその辺は難しいのだが、地味な人であっても“大記録”や“偉業”の時だけでも、大きく報道してあげて欲しい。
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