その作品は1956年から57年にかけて「毎日小学生新聞」に掲載されていた。プロ作家としての作品ではなく、神戸で暮らしていた寿美枝氏が投稿する形で何度も掲載された小学生向け童話であった。おそらく作者にとって、自分の創作した童話掲載は貴重な体験だったに違いない。その切り抜きは大切に保存され、やがて本人は亡くなり、その遺品は娘である前田美智代氏が引き継いだ。もっとも、その中身は深く確かめることもなく、押し入れに眠った。ところが、娘の美智代氏も高齢となって、ふと母親の遺品の整理を思いついた。そういう中で発見されたのが、新聞に掲載された何篇もの童話だった。地元の小学生たちが登場する形で描かれている。母親の作品が新聞にまで掲載されていたことを知らなかった。棄ててしまって良いのか。娘に名案が思いつく。自分が挿絵を描けば、書籍化できるのではないか。考えてみれば、自分はアメリカの大学で、本格的に絵を学んできた身だった。実際にはプロの画家として大成することはなく、絵画教室で教えていた実績が或る程度だった。自分の絵のタッチが、こういう童話の絵として相応しいかは微妙だが、血の通った母娘で“描こうとしていた世界”は十分に理解できる。こうして、美智代氏は童話用の15点の挿絵作品を描いた。そして、母娘の共同作品である童話を自費出版したのだ。63年の時を経て、母娘が一つの作品を形にしていく、何んとも“素晴らしい親孝行”のような気がするのは私だけであろうか。近年、プロ作家ではない人達による童話の創作・出版が盛んになっている。数年前には、貴乃花親方が“童話作品”を書籍化してことで話題になった。別に、文章が上手くなくても、小説的ストーリーが描けなくても、童話というのは誕生する。ストーリーそのものよりも、発想のユニークさや感性の豊かさが童話の大ヒット作品を生む。子供たちにとっては、誰が描いたかとかは関係がない。純粋に、自分の興味を引く作品、想像を刺激してくれる世界が描かれていれば、それで良いのだ。しかも、子供達に国境はない。どの国の子供でも、似たようなものに共感する。童話と挿絵作家が異なる場合もあるが、その場合には“共通の世界観”を持っていなければならない。そういう意味で、母娘は黙っていても通じ合う部分があり、最良のパートナーといえるのだ。
昨日、外国人に関する“人権”や“難民”問題を扱っている主要な8団体が結束して、選挙に関連して拡散している「外国人が優遇されている」という噂は「まったく根拠のないデマであり誤解である 続きを読む
現在、ダライ・ラマ率いるチベット仏教はインド北西部ダラムサラに拠点を置いている。最近、ベトナムに派遣されていた高層の1人が現地警察と中国諜報員とによって拘束され、その3日後に“不可 続きを読む
人にはときどき“自分の人生”において、妙に“交錯する相手”というものがある。どうしても“避けては通れない相手”とでも言おうか。今から19年前、早稲田実業高校のエースだった斎藤佑樹投 続きを読む
30年ぶりに再ブレークしつつある女優……という形で取り上げられていたのが安達祐実氏だ。確かに30年前、子供ながら「同情するなら金をくれ‼」というセリフは俄然ブームを巻き起こし「流行 続きを読む
いま注目の参政党の党首・神谷宗幣氏が7月3日の街頭演説において「高齢の女性は子供が産めない」と発言したことに対して、一部の有名人たちが激しく嚙みついている。その代表は元宝塚女優の毬 続きを読む
なにやら物騒な予言が“独り歩きをしている”ようだ。漫画家のたつき諒氏による「2025年7月5日に大災害が起こる」という予言だ。都市伝説として、たつき諒氏には過去の東日本大震災の予言 続きを読む
熊本県天草市の本渡郵便局の配達員が、今年4月、配達すべき郵便物500個を“ごみ集積場”に破棄していて、それを集積場の近隣住民が気付き、郵便局に知らせて事件が発覚、問題の配達員が解雇 続きを読む
私などはどうしても昔の名前である「桂三枝」と言いたくなるのだが、もう6代目「桂文枝」を襲名して13年も経っている。それなのに、未だに「三枝」と言いたくなるのは、妙に、その名と本人の 続きを読む
愛知県豊田市で19歳の女性・東川千愛礼さんが、刃物で胸などを刺され玄関先で死亡しているのが発見された。その翌日、京都方面に逃亡していたとみられる元交際相手・安藤陸人(20歳)が殺害 続きを読む
最近、見知らぬというか、聴き慣れないというか、政党が次々と誕生している。時代の変化は、当然、政界にも及んでいて、昔からの“弱小政党”はだんだん忘れられつつある。そこで…というわけで 続きを読む