世の中、変わりつつある。「定年」という制度も変わりつつある。札幌東区にある運送会社が今年10月1日より、それまでの“70歳までの再雇用”を“80歳までの再雇用”に十年間も引き上げた。つまり65歳でいったん“定年”となった従業員に対して、希望があれば80歳までの期間、正社員として再雇用するというのだ。但し、職種は事務か営業に回る。確かに運送会社だけに、80歳で車の運転を業務とされても困る。事務や営業なら、80歳でも問題ない(?)という考えらしい。それにしても、退職金を満額出したのちに“再雇用”というのだから、見上げた制度というほかはない。こういう会社はここだけではない。愛知県のパン工場でも“80歳まで雇用し続ける”企業がある。元々は人手不足から始めた“苦肉の策”だが、ベテラン技術者の方がパン作りには適しているということもあり、今では60年勤務の大ベテランまでいる。パン職人は朝が早く、午前4時半から午後1時半までが製造部門の勤務時間となる。その“早朝勤務”には年配者の方が応じやすいのだ。確かに、若者は夜の勤務、年配者は朝の勤務、と分けた方が効率的な気がする。近年、60代70代を雇用する企業は多くなったが、さすがに“80歳まで”を標ぼうとする企業は稀にしかない。けれども、寿命が延び、健康な年配者が多くなっていく今後、定年退職が“65歳”というのは少し早すぎる気がする。したがって、いったん“定年”の形を取って“再雇用”というのは大変に良い制度であるよう私には思われる。見ず知らずの退職者を“新たに雇う”のは難しくても、これまで雇っていた従業員を“再雇用”するのであれば、仕事上の“即戦力”として期待もできる。おそらく、今後、このような企業が増えていくのではないだろうか。もちろん、65歳の定年まで働き退職金を得て、あとはのんびりしたい、という人もいるだろう。人それぞれ働き方は自由なので、あまり型にはめるのは良くない。私のように“定年”の無い職業もあるが、あと十年も働けば、もう“お客様”のほうから黙っていても「さようなら」をしてくれる。
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