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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「息子だけ死亡認定」哀しみを増す行為なのに


人は、いろいろな場面でいろいろな決断を下す。帯広に暮らす男性が、自分の“行方不明の息子”に対して「死亡認定手続き」の決断を下した。一昨年、知床半島沖で沈没した観光船「KAZU」に乗り込んでいた7歳の息子は2年経った今も“行方不明”のままだ。その時、母親つまり帯広男性の妻も乗船していて、一緒に行方不明となったのだが、どういう理由か判然としないが、彼は息子の方のみの“死亡認定”を行った。もしかすると、ほんとうは死亡認定したくないのだが、その手続きを行わないと「損害賠償請求」の交渉団に加われないところから、手続したというだけかもしれない。それは何となく解かるのだが、その時、どうして奥さんの方も“同じ手続き”をしなかったのだろう。この男性自身が悪いわけではないが、行方不明の二人を“別々にしてしまう”のは、あまりにも双方にとって不憫だ。この男性自身は“仮の手続き”だと思っているかもしれないが、そうではない。こういう場合には認定された方のみが“成仏”へと向かい、認定されていない方は“未成仏”のままとなる。易占には「帰魂の卦」と「遊魂の卦」と呼ばれるものがある。帰魂の卦の方は、亡くなった魂が“帰るべき所”へ帰って行く形。遊魂の卦の方は、亡くなったかどうか不明の魂が“幽界を彷徨っている”形。という風に規定している。明らかに“死亡認定”を受けた息子は帰るべき所を得たが、まだ“死亡認定”を受けていない妻は幽界を彷徨い続けることになる。しかも、その双方が海底の中、どこぞへか消えたままなのだ。母親は息子を失うことになり、息子は母親から引き離されることになる。もちろん、これらは“魂の世界”でのことであり実在世界ではないが、きっと似たような海底場所に居るはずの二人の肉体から、魂だけ別々の場所に引き離されることになる。死亡してしまったことを認めたくないのかもしれないが、それが結果的に“母親と息子を引き離す形”になったことで、損害賠償請求団に加わることは出来ても、この男性は決して救われることはなく、精神的に苦悩し続けるに違いない。
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