人はだれでも、本人にしかわからない「足枷」を引き摺りながら生きている。“重い足枷”もあれば、“軽い足枷”もある。本人にしか見えていないので、周囲の人でもそれに“気付かない”場合も多い。本人がそれを説明しても、本当に理解してくれる人は滅多にいないので、やがて本人もそれを語りたがらなくなる。けれども、足首の“重み”は日に日に増して、いつの間にか“重み”が増えていて、何もなさそうな顔をしながら、時々、それを強引に“ほどいてしまいたい”衝動に駆られる。だけど、ほどかないのは、ほどかないのではなく“ほどけない”からであって、そんなことは最初から自分にはわかっていて、なんとなくわかっていて、だから今日も人知れず「足枷」を引き摺っている。みんなは「足枷」なんかないんだろうと思うのだが、そうではないと聞いたこともある。本当はみんな足枷を嵌められていて、ただそれが見えないだけだと、昔、誰かが言っていたような気がする。本当だろうか。もし「足枷」を外すことができて、もし「足枷」を引き摺らなくて良いなら、もっと“自由”で、もっと“気楽”で、もっと“楽しく”日々を過ごすことができるに違いない。そうなったら、外出の時に必ずかぶっている“仮面”もかぶらず、“こころ”も丸出しにして恥ずかしそうでもなく、街を歩けるのだろうか。“こころ”を丸出しにするのは、やっぱり誰でも恥ずかしいのだろうか。だから、みんな無意識に“隠す”に違いない。あんなもの、見られたなら、やっぱり“恥ずかしい”。見せたい奴なんて、きっと変態に違いない。絶対“恥ずかしい”のだから…。
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