人生に“浮き沈み”があることは、誰でも知っている。特に“人気稼業”と呼ばれるような職種において、それは際立っている。元々が“大衆の人気”のもとに成り立つ職業は、一般的な職業よりも“浮き沈み”が大きなものとなる。したがって“安定した人生”が良い場合には、“人気稼業”は選ばないことである。大体、“大衆の人気”ほど移ろいやすく、無責任なものはない。大衆の人気に“持続性”とか“公平性”を要求してはならない。或る日、突然生まれて、或る日、突然去っていく。そういう“性質”を持っているのが“人気”というものなのだ。英国の詩人バイロンは「或る朝、目が覚めたら、僕は有名になっていた」と語ったらしいが、それこそまさに“人気の正体”というものである。ここで間違えてほしくないのは“人気”と“名声”とは同じではない、ということである。つまり、有名だから人気があるのではない。有名でも人気のない人はいる。但し“国民的な人気”は、“名声”を伴っている場合が多い。基本的に“人気稼業”というのは、“不特定多数”を相手とする職業である。人気の有無によって、収入が左右されるのが“人気稼業”で、文字通り“人の気持ち”が集まるかどうかで収入が上下する。もちろん、年功序列など関係がない。よく言えば“実力の世界”ともいえるが、職務能力そのものの実力ではなく、人の“気持ち”を捉えたかどうかだけが“実力”と評価される。そういう職業であるから、浮き沈みが大きくなるのは仕方がない。芸能界など、その典型である。一時期、人気を得ていた人が、何かがあって人気が低迷し、表立った世界から消え、忘れかけたころに再び“人気沸騰”するような人がいる。そういう人は、必ず“天性の人気運”を持っていて、人気が低迷していた時代に、人間としての“深み”と“陰影”が育まれる場合が多い。役者などは、そういう人の方が“仕事に幅が生まれ”演技の実力も備わった人気役者となっていく。
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