女優・川島なお美さんが「胆管がん」で亡くなって一年。一周忌法要とともに、夫・鎧塚氏が“慰愛碑除幕式”を行ったらしい。正規の医療を自ら拒否して、美しさをとどめたまま、あっという間に死を迎えた川島さんだが、その“生き方”への評価はさまざまである。人間はしょせん死ぬ。いつかは死ぬ。生きるということは「死」へ向かって歩んでいるのだともいえる。誰でも自ら“老い”を実感してくると、嫌でもそれを感じる。芸能人など名の知られた人たちとか、社会的な地位のある人たちは大きな病気や事故などの場合、すぐ世間に知れ渡る。特に“末期がん”のような「死に向かう病気」の場合、残された時間を“どう過ごすか”は、その人の「生き方」と深く関わってくる。川島さんの場合は、最期まで“女優としての生き方”を選んだ。誰が見ても“危うい”と思うような容貌となっても、大丈夫ですから、と気丈だった。それは最期まで女優であろうとする執念のようなものだった。もし、彼女が“一人の鎧塚夫人”として“妻としての生き方”を選んだなら、もっと別な形になっていたのかもしれない。人間はどのような状況であろうと、多くの場合、最終的には本人が“未来を選択する”。もちろん、選択の余地などないまま未来が決められてしまう場合もある。そして、それらが幸福かどうかは、実際のところ、最期までわからない。そう、誰にも、本当のところ、解らないのだ。というか人生に「正解」などないのだ。ただ自分の意志を最後まで貫けるのは、或る意味で幸福なことなのかもしれない。「心ならずも…」という言葉があるが、ほとんどの人は、人生に後悔を引き摺りながら“最終章”を迎える。
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