市川海老蔵氏の夫人である小林麻央さんが「乳がん」であることが公表されてかなり経った。それからしばらくして、麻央さんは「闘病記」ともいうべき“ブログ”を立ち上げた。それはかつて“ニュース番組”を担当していた者らしい情報発信の仕方だった。今後マスコミから追われる可能性がある夫を“逃れさせる手段”を兼ねているかのような情報発信でもあった。海老蔵自身も、自らのブログの中でさりげなく“麻央さんを語る”ことがあった。独身時代、さまざまな女性と浮名を流した海老蔵氏だが、結婚し、自らが暴行事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、父親を喪い、子供たちが産まれ、妻が“病床に伏す”形となって「家庭の人」に変わった。同じような形をミュージシャンの小室哲哉氏に見る。大きな借金を背負い、妻が“病床に伏す”形となって、かつて浮名を流していた小室氏は「家庭の人」に変わった。男は、奇妙なことに妻が“病床に伏す”と浮気が出来なくなる。私自身も、現在“妻が病床にある”ので、その心理は良く分かる。海老蔵氏の場合、歌舞伎座そのものが新しくなって「歌舞伎」そのものが世界から注目を集めるようになって、歌舞伎界を背負わねばならない意識がアスリートのように強まっている。気楽な気持ちで立ち上げたブログの注目度も高いため、嫌でも“弱音などはいて”いられないのだ。さらに後継者となるに違いない息子が徐々に成長し、その背中を見つめている。麻央夫人の病状は深刻だが、意外なほど“気丈な妻”は弱音を吐いていない。そのブログは今や歌舞伎座のように多くの視線を集めながら、回り舞台の袖で衣裳替えをしながら次のステージに登ろうとしている。海老蔵氏にとって、今や「舞台」は、妻や息子の“眼”に焼き付かせるうえでも重要なものとなりつつある。
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