あまり大きなニュースとなっていないが、6月5日、日本の海洋研究開発機構は房総半島の沖350キロの海底から「一つのお宝」を引き上げた。これは、もちろん“一つのサンプル”として引き上げたもので、詳細な確認・研究はこれからなのだが、希少金属であるコバルトなどを豊富に含む資源の断片で、専門的には「コバルト・リッチ・クラスト」と呼ばれる。コバルトは工業製品に使用される高価で貴重な資源なのだ。深海3200メートルの地点から引き上げられた“お宝”は厚さ13センチもあって、これは稀な厚さらしい。この“お宝”の広がりは東京23区の1.5倍の領域というから、広大な資源が日本の領土内に眠っているということになる。なにしろ“海を合わせて測る”日本の領土は広い。世界第6位なのだ。だから“日本の国土”は狭いのだが、“日本の領土”は意外なほど広いのだ。そして、その海底には“お宝”が山ほど埋まっているのだ。だから、今から百年後、多分、もう誰も生きていないだろうが、その頃になると日本は“大金持ちの国”になっているかもしれない。われわれは少し生まれるのが早すぎたのだ。海底油田は1000億バレル(700兆円分)もあるらしいし、“燃える水”とも呼ばれる「メタンハイドレート」は100年分も眠っている。まだまだ調査によっては“お宝”が今後続々と発見されてくる可能性もある。かつてマルコポーロは、日本のことを「黄金の国ジパング」と表現したが、もしかして「22世紀の日本」を予見していたのかもしれない。何しろ、日本の建物はすべて黄金で作られている…などと述べていたのだから。
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