「大塚家具」と言えば、2015年に父娘間での派手なバトルを繰り広げ、結局、創業者の父親が敗れて長女の大塚久美子社長が経営権を引き継ぐ形で騒動は幕を閉じた。けれども、それ以降、企業としての「大塚家具」は“瀕死状態”にある。2006年には売り上げ700億円を誇った高級家具店だったが、現在は売り上げも半減、今期の損失が72億円に膨らんでいる。このままでは破たんしかねないとの“危機説”まで浮上している。久美子社長になって以降、大塚家具は大きく舵を切った。「高級家具」から「中級家具」へと方針転換したのだ。それまでは“会員制販売”という方法を採ったのだが、現代にそぐわないということで撤廃した。現在は“生き残り”をかけて、貸し会議室運営の大手と組み“空き店舗”を“貸し会議室”とすることで乗り切ろうとしている。つまり、家具を売ろうとしているわけではない。どうして、こんなお粗末な結果になったのか、社長の“事業方針”に明らかな誤りがある。大塚久美子氏は、本人はそう言われたくないかもしれないが、明らかな“お嬢様”である。だから若い頃には「かぐや姫」→「(家具屋)姫」と呼ばれていたのだ。それなのに、自分が“株主たち”を説得し社長になって以降、打ち出したのは“低価格路線”であり、“高級家具”から“中級家具”或いは“格安家具”への切り替えであり、客層の切り替えであった。ところが、“格安家具”では「ニトリ」や「イケア」に勝てるはずがない。何しろ、ニトリの創業者は“どん底から這い上がってきた人物”で、庶民感覚というものが良い意味でも悪い意味でも“板についている”。お嬢様が太刀打ちできるような相手ではないのだ。その代わり、美的センスなどまるでない。なぜ、お嬢様は、そこを突かなかったのか。世の中は“安いもの”を好む人ばかりではない。“良いもの”“美しいもの”を好む人もたくさんいるのだ。特に高収入の独身女性が増えた現在、“美しい家具”、“ロマンチックな家具”、“セレブ女性らしい家具”を求める人が急増しつつある。現在は、そういう家具を求めようとしても日本のメーカーには存在しないので、海外メーカーの製品を求めることになる。イタリア家具とか、フランス家具とかの“お姫様家具”である。なぜ、そういう方向を目指さないのだろう。そうすれば、若くて勢いのある女性社長たちがわんさと応援してくれる。多少、高めでも“かぐや姫”が売る“お姫様家具”なら幸せになりそうな気がするものなのだ。もう“手遅れ”かもしれないが、“かぐや姫”は“かぐや姫”らしい仕事の仕方をしなければ、破たんを待つばかりとなるだろう。
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