「美しい地上の楽園」という触れ込みにつられてインドネシアのバリ島には、世界中から観光客がやって来る。ところが、近年はどうも評判がよろしくない。ジンバラン、クタ、スミニャックなど、リゾート地として有名な海岸沿いが“ゴミの山”に変わりつつあるというのだ。さらに英国のダイバーが近隣の水中動画をSNSに投稿し、そのあまりのひどさが評判を呼び、100万回以上も再生されている。私も見てみたが、確かにひどい。海岸沿いもひどいが、水中の方がもっとひどい。こういう映像を見てしまうと、もうどんなに海岸から臨む“美しい風景”も眼に焼き付かない。これはバリ島に限らないが、インドネシア全体が街の中心は別として埃っぽいし、ごみが散乱しやすい傾向がみられる。それはフィリピンなどでも同様だが、きれいなのは街の中心部だけで、ちょっと横道に入ると清掃の行き届いていない場所が散見される。私は昔、フィリピンで「景色の素晴らしいところに連れて行ってあげる」と言われ、ごみが散乱する海岸沿いに案内され愕然としたことがある。密林も多いバリ島の場合には、雨季など湿気が多いので、余計に“薄汚い”印象を与える。もちろん、インドネシア政府も見逃しているわけではない。「ゴミ緊急事態宣言」を出して清掃に努めてはいる。何しろ、バリ島は「観光」で成り立っている島だ。日本人観光客も多いが、総じてインドネシア人は日本人に対して好意的である。だから、悪い印象を持つことは少ない。ただ元々日本人は潔癖感の強い民族なので、あの水中映像などを見てしまうと尻込みする観光客も出て来るのではないだろうか。
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