当然と言えば当然のことなのであるが、昨日開票となった佐賀県神埼市の市長選で現職の松本茂幸氏の四選を阻もうと出馬した元プロレスラー・参議院議員の大仁田厚氏が大敗をした。何んと十倍近い得票数の差があった。これでは「阻む」どころの話ではない。大体、大仁田氏はここに暮らしていなかった。今年1月になって、急きょ、この選挙に出馬するため住民票を移したのだ。そういう人物に、地元の人達が応援する気になれないのは当然なのだった。その結果として、彼は900票余りしか取れなかった。大体、彼は“大間違い”をしている。彼は一時期「参議院議員」になっていた。けれども、正直、その実績は定かではない。大仁田厚氏の名を高めたのは、爆薬仕掛けの有刺鉄線による“危険なプロレス”だった。私はたまたまであるが、アメリカ修行から彼が戻って来て、ジャイアント・馬場氏からリング上に紹介された時の姿を見ている。その時、馬場氏との比較から「なんと小さなレスラーだろう」と思ったのを忘れない。あの身体で、世界のレスラーを相手にするのは難しいのではないか、とさえ思った。ところが、いつの間にか「傷だらけのレスラー」「炎のファイター」「凶悪な邪道」として名を高めていった。また7度も「引退宣言」をし、そのたび復活を果たした。昔から「武士に二言はない」というが、そういう意味では、信用のならない人物だった。けれども、あの小さな身体で、常に血だらけになりながら“やんちゃ少年”そのままに生き続けていく姿には好感も抱いた。けれども、彼が小さな街の“市長選”に出馬したのは戦略として間違っている。彼のようなタイプは地方の片隅で“市長”に収まろうとすること自体が間違いなのだ。彼は「何度でも挑戦する」ようなことを述べたらしいが、運命的な観点から言えば、今年6月は彼にとっての転機となる時期なのだ。もし、この時期に新しく何かを打ち立てることが出来れば、例えば「ご当地プロレス団体」を立ち上げるとか、「大手企業を誘致」して新ビジネスを立ち上げるとか、自らが街おこしの「派手なイベント」を企画するとか、新たなる第一歩を踏み出すことが出来れば、手慣れた“フォール負けからの出発”を可能にするのではないだろうか。
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