昨日、タレントのウエンツ瑛士氏がTV番組の生放送で10から日本の芸能界を休止し、ロンドンに留学「ウエストエンドで舞台に立ちたい」という夢に挑戦するという宣言をしたらしい。このところ海外に“新たな活動の場”を求める“ハーフタレント”が多くなった。厳密に言うと、ハーフタレントに限らず、野心の強い芸能人は“世界の舞台”を目指す傾向が強いようだ。既にハーフタレントではローラ氏やダレノガレ明美氏が、その方向で調整している。近年、日本ではハーフタレントが珍しくなくなった。そのせいもあって、ハーフタレントの“立ち位置”も或る意味では微妙である。いくらでも“変わりがいる”からだ。しかも、その一番の“活躍の場”がバラエティ番組だと、どうしても“芸人”と似たような扱いとなる。今や“芸人”“ゲイ人”“外人”は、バラェティ番組では“同じ枠”に収まっている。オモシロければ売れるし、つまらなければ売れない。どういうわけか、ハーフタレントで真面目過ぎる人は日本人受けしないようだ。そういう意味では、ローラも、ダレノガレも、ウエンツも、元々は“オモシロい”部分が受けたのだ。きつい言い方をすれば“それだけ”だった。外貌的に優れていて、どこか“面白い部分”を備えていることが、日本で人気を出す秘訣でもある。ただベッキー氏のように“日本社会における規律”から少しでも外れると、純日本人以上に“激しいバッシング”を浴びる。日本人は、そういう点では決して平等ではない。ただ、その種のことは日本社会だけにあるわけでもない。だから「世界の舞台」を目指すこと自体は望ましいのだが、その挑戦は必ずしも生易しいものではない。日本のようにハーフタレントだからと言って、言葉の不完全さを“可愛い”と甘く受け入れてなどくれないからである。演技や慣習に対しても同様である。日本人は、見た目で純日本人で無ければ、礼儀作法をあまりうるさくは言わない。解からない慣習などは丁寧に教えてあげる。欧米社会にはそれがない。そういう点で、日本社会ほど寛容ではない。スポーツの世界でも、芸能の世界でも「世界の舞台」は“輝かしい栄光”と“とてつもない報酬”が与えられるが、その分“容赦ない批判”や“過酷な序列”も待っているのだ。
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