人は誰も“争い”の中で暮らしたいとは思わない。それなのに世界のどこかで常に戦闘がある。争いごとの多くは互いの“主張”と“利害”に基づく。双方の主張がぶつかり、利害が交錯するから争いごとに発展する。どこかで妥協し合うことが出来れば、争いは収まり、互いに共存し合うことが出来る。そんなことは解かっているのに、それがなかなかできない。特に「国」同士は、妥協線を見出すことがなかなか難しい。その代表者は「国民」を背後に主張し合うからだ。けれども、そこは人間同士、何回も会って気心が知れて来ると、この個人としての“良好な状態”を“国同士”としても何とか築き上げられないか、と思うものだ。その代表的な二人が日本の安倍首相とロシアのプーチン大統領だ。二人はもう何度も逢っていて、互いに、その性質や考えを十分に知り尽くしている。日本的な表現を使えば“阿吽の呼吸”で意志が通じる間柄なのだ。特にプーチン氏はロシアの政治家では珍しく日本通である。だから、日本の国内事情も熟知している。もし、自分たちが“二国間の問題”を解決できなければ、その後に続く国のトップに上手くバトンをタッチできる自信がない。安倍首相としても、基本的に思いは変わらない。彼だからこそ“交渉できる”が、彼以外であれば交渉のテーブルにさえつかせてくれないだろう。9月の記者会見の時、プーチン大統領は唐突に「前提条件なしで平和条約を締結しよう」といったが、あれは日本人に向けてというよりも、ロシアの政治家や国民向けに言い放ったように、私には感じる。今回は「1956年の日ソ共同宣言を基礎として」という踏み込んだ内容で「平和条約交渉」を加速させることで一致した。そして、そのあと二人だけで“突っ込んだ議論”もしている。これは二人の間に“信頼関係”がなければできないことである。実際、こういう形で世界の歴史的な“平和条約”とか、“二国間協定”は結ばれてきている。政治外交でも、事業交渉でも、最終的には“相手を信じる”ことからスタートする。信頼のないところに締結や協定はあり得ない。そういう点で安倍首相は、実にさまざまな国のトップと締結や協定を結んだ。つまり、多くの国から、そのトップから“信頼されている”ということだ。その決断力、行動力、忍耐強さ、柔軟な交渉能力は、政治家としてもっとも必要な要素である。世界でもっとも多くのトップ政治家と握手した政治家として、ギネスに認定されるだろう?
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