インターネット通販ZOZOが、2019年3月期の売上高予想を大幅に下方修正した。プライベートブランド「ZOZOSUIT」が予想以上に“不評”だったのだ。ZOZO自体は、誰でも安く“身体にピッタリのスーツ”が着られる、ということで“高評価”を得られると信じて疑わなかった新商品である。ところが、実際には身体の計測もそれほど容易くはなく、注文してからも時間が掛かり過ぎ、さらに出来上がった品物が身体に合わないなど…問題続出であった。早い話が“大失敗作品”だったのである。前にも書いたが「ZOZOSUIT」は“身体にピッタリ”というのが“売り”なのに、実際には背中の部分がピッタリではない。つまり、背中の計測が難しいので、その部分だけが何となくだぶつくのだ。そんなことよりも、“身体にピッタリ”のスーツであればそれが“格好良く”“素敵に見える”と信じて疑わない、前澤友作社長の“考え方”自体に問題がある。それは、彼や、その周辺の人達の“感覚・趣向”でしかない。今回の決算報告でも、彼は「皆様にピッタリの洋服を提供できるよう努力していく」と表明している。つまり、まだ物事の本質が解かっていない。もし彼が“完全オーダーメードの洋服店”の店主であれば、その言葉は適切である。けれども、彼は「通販衣料店」を率いているのだ。つまり、購入者は全国の未知の人々であり、その多くは“若い人たち”である。だから“会員値引き”をすることで、これまで急成長してきたのだ。若い人たちの“体形変化”は早い。昨日ピッタリだったスーツが、明日になれば合わないことも珍しくはない。それに、ここが一番問題なのだが、“ピッタリ”ということは、体形的な“弱点”を隠すとか補うとか、上手くカバーすることが出来ない。世の中には“自分の体形”に不満を持っている人が山ほどいるのだ。したがって“身体にピッタリ”のスーツは、必ずしも“感謝されるスーツ”とは限らない。ここを前澤氏はまったく理解していない。さらに「流行は変わる」というファッション業界における“大前提”も忘れがちのようである。現代は、確かに“身体にピッタリ”のスーツが流行している。けれども、私の若い頃にはむしろ“余裕のある洋服”が好まれた。時代と共に、多くの人達が“好むファッション”も変化していく。洋服の場合には、何十年おきかで“似たような流行”が循環的に生まれる。だから、いま“身体にピッタリ”が当然のように思えても、やがてそれは“過去の流行”と呼ばれるようになる。自ら“広告塔”となって、話題作りをし“時代の寵児”として巨富を得た前澤氏だが、いったん“流行”が覆れば、もはや“見向きもされないブランド”へと転落していく可能性があることに早く気付いてほしい。
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