最近は“ネーミング”ひとつで同じ商品でも売れたり、売れなかったりする。今、密かに話題となっているのは「お嬢様聖水」だ。別に“成人向け”なわけではない。けれども、一般のコンビニなどではまだあまり置かれていないようだ。現在はキャバクラとかガールズバーとか、そういうところからの需要が多いそうである。う~ん、なるほど。最近は「お嬢様聖水サワー」も発売しているらしい。何しろ、購買層は圧倒的に男性で、男性の購買率が95%なのだ。ここが面白いところで、男性100%ではない。けれども、元々このドリンクは“女性向け”に発売された。なぜなら、女性の美と健康に有効な植物由来の酵素をを含んでいる。細長い指で「お嬢様聖水」と大きく記された缶を開け、大きく足を組んで、優雅に口に流し込む女性。或いは逆に、目の前に缶を突き出されて、頬を染め、いやいやながら命令されたまま口に流し込む女性。そのどちらもが“絵”になる。発売元は、どういう意図で売り出したのか、今一つ判然としないが、ともかく2015年4月1日に売り出して以降、人目を気にしながら男性だけが購入していく商品となった。いや、人目を気にする男性達だけではない。何んと鈴鹿市のプロサッカークラブ「鈴鹿アンリミテッドFC」では自分たちのユニホームの目立つところに「お嬢様聖水」と記しているではないか。よく選手たちが嫌がらなかったものだ。それもそのはず、この飲料水の発売元は彼らのスポンサー企業なのだ。つまり選手たちは「僕らは、いつでも、お嬢様聖水を呑んでいるから元気なんだ」とでも言いたげである。実際、この発売元企業に、スポンサー企業となってくれるよう依頼してきたのは、このクラブの社長・山岡竜二氏だった。彼自身が「お嬢様聖水をアピールしたい」と猛アタックしたのだ。それにしても、女性向けの美容飲料が圧倒的に男性達から支持され、しかも、その理由が本当のところは判然としていない。まさか「キレイになりたい」から飲んでいるわけでもあるまい。そうすると、もし一般のコンビニなどにも置くようになれば、或いは居酒屋とか、レストランとかでも置くようになれば、意外と“大ヒット商品”になる可能性があるのではないのか。そうして、それに目を付けて、自分自身の「お嬢様聖水を売って‼」と希望する女性たちが続々と出て来て、製造元も急きょ「ホンモノ・お嬢様聖水」を販売し出す…というようなことには多分ならない。
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