多くの人達が思っているように、人は生まれながらに“大きな差”を持って生まれているわけではない。実は9割以上の人達は“ほとんど差のない生れ”なのだ。ここでいう「差」とは“運命的に”という意味でである。つまり、そんなに変わらない。ただ“違っている”ように見えるだけなのだ。例えば昨日、モントリオール五輪に日本女子体操の“若き星”として参加・活躍した岡崎聡子選手が4月下旬に「覚せい剤逮捕」されていたことが明らかになった。今回で14度目の逮捕・起訴らしい。多くのマスコミは「転落した人生」という風な書き方で報道する。確かにその通りではあるが、もし彼女が15歳でオリンピックに出場しなければ、マスコミがこぞって「和製コマネチ」などともてはやさなければ、もっと違った人生になっていたことだろう。もちろん、覚せい剤で14度も逮捕されるのは本人の意志の弱さからである。彼女を擁護することは出来ない。けれども、あまり自覚のないままに十代半ばから“華やかな栄光”を与えられたり、“熱狂的な人気”を得たり、予期せぬ“巨富”がもたらされたりすることで、何かが“狂っていく”人達は多い。昨日は、もう一人人気ユーチューバーのワタナベマホトも“傷害により逮捕”されていた事実が発覚した。この人物も、十代半ばから活躍し、熱狂的人気や巨富を得て来ていた人物だ。特に現代が恐ろしいのは「人気」も一気に拡散するが、悪い噂とかトラブルのニュースとか事件とかも一気に拡散しやすい。したがって俗にいう「シンデレラ物語」が誕生しやすいのだが、何か問題を起こした時のバッシングも半端なものでは済まない。人間というのは、ちやほやされるのは慣れていなくても或る程度対応できるのだが、批判・中傷・誹謗を浴びるのは、よほど精神的に強靭でもなければ耐え続けることが出来ない。近年は“アイドル量産時代”で十代半ばから比較的簡単にTVや雑誌やweb上に登場出来る。そして何らかの“ユニークな部分”が注目を浴びると、一気に人気者となることも夢ではない。但し、実力を伴っていない人気というのは長続きしないのが定番だ。幼い頃から、その分野における才能を発揮するとか、技術を磨いてきたとか、努力を重ねてきた人達は別として、そうではないのにマスコミから注目を浴びたり、世間的に人気が出てしまったりすると、その後どうすれば良いのか、本人の中で迷いや重圧が生じるのは当然のことなのだ。けれども周りの大人たちは誰一人、その部分をフォローしてはくれない。「和製コマネチ」として持ち上げ、タレントとして“人生を狂わせた”のは誰なのか、マスコミとか芸能事務所とかの存在や在り方が、改めて問われる。
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