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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「令和」が感じられない“即位記念切手”


意外に気付かないでいた10月からの“切手代値上げ”だが、それを気付かせる意味もあってのことなのかどうか知らないが、10月18日から「天皇陛下即位記念」の新たな切手が発行されることが公表された。昨日、そのデザインがお披露目となったが、正直、う~んと唸ってしまった。あまりにも古めかしい。まあ、天皇即位だから華やかなのが良いというわけではないが、今一つピンとこない。二種あって、10枚シートでは横に縦書きで「天皇陛下御即位記念」の文字が入っている。これは別にこれでも良い。本当は「令和天皇」とすべきのような気もするのだが…。まあ、でも、これは良しとしよう。肝心の切手デザインの方は、その一つが“鳳凰”をあしらったもので、金色で右半分に寄せた感じでデザインされている。もう一つは“宝相華文様”をあしらったもので、或る種のマーク的な文様が中央にドカンといった感じで描かれている。確かに、二つとも“厳かな雰囲気”を表わしてはいる。これが昭和天皇即位とかであれば、良いデザインだといえるだろう。ただ諸外国の王室切手などに比べ“古めかしい”印象を禁じ得ない。それに、どこにも“新天皇・新皇后”の顔がない。海外にも送られることの多い手紙に使われる切手なのだから、“令和天皇”の顔ぐらいは片隅でも良いから入れてあげるべきだ。それに、私が一番疑問に感じたのは“宝相華文様”の方である。これは1945年に焼失した明治宮殿「正殿」の内部装飾の文様であるらしい。何とも奇妙な気がするのだ。消失した「明治宮殿」の文様を「令和天皇」誕生の切手文様とする。何となく「不吉」な気がするのは私だけであろうか。確かに、それは“輝かしい天皇の時代”を象徴する文様であったに違いない。けれども、もう「明治」に後戻りできるわけではない。それに「明治」は確かに“輝かしい時代”でもあったが、同時に“大きな戦争”を体験した時代でもあった。「天皇」を“現人神”として崇めた時代でもあった。美術的に現代の皇室建築では、デザインとして取り入れるほどの意匠がないのかもしれないが、それなら“宝相華文様”をもう少し小さくして、天皇即位時の天皇装束姿とか皇后十二単姿とかの方がはるかに美的で“日本らしさ”も表わせる。私は“皇室ファン”でも何でもないが、少なくとも「令和天皇」の記念切手であるはずなのに、その主役たる天皇がどこにも存在していないのは、あまりにも寂しい。

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