犠牲者35人を出した「京都アニメーション放火殺人事件」の容疑者である青葉真司(41歳)が、大賞を受賞するとアニメ化と文庫化とが約束される「京都アニメーション大賞」に対し、複数の小説を応募していたことが明らかになった。彼が犯行当初に「俺の作品がパクられた」と喚いていたことが、これで繋がる。つまり、彼は自分の応募した小説は選外となったが、自分が書いた作品のストーリーとかキャラクターの一部が「京アニ」作品において“勝手に使用されている”と捉えて、そのことで“恨みを抱いていた”可能性が強いということである。単に自分が“選外”にされたから恨んだのではなく、その“選外にした作品”を勝手に使用したことが許せなかったのだ。こう考えると、それなりに“筋は通っていて”凶行に及んだ動機も一応理解できることになる。ただ本当に「パクられた」かどうかは大いに疑問である。何しろ「学園もの」のアニメには“似たような作品”が多い。ストーリーにしても、キャラクターにしても、“似たようなもの”だらけが応募してくる。だから、彼の作品から「パクった」というのは、彼自身の“妄想”である可能性が強い。百歩譲って、彼の作品から“パクった”としよう。さて、誰が“パクる”のか。アニメーターの人達は“パクらない”。彼らは、上からの指示に従ってアニメ画像を描くだけである。彼らには“受賞作”を決める権利もなければ、読む機会もない。「京アニ」関係者で、もし、応募作品を読む機会を持つ者がいるとすれば、企画者(社長?)本人とか、企画・制作の部長辺りに限られる。もしかすると、原稿の選考そのものは“外部委託”していた可能性もある。したがって、どう考えても、応募者の“選外作品”から、ストーリーやキャラクターを盗むという行為は余程の事情でも存在しない限り、無意味なような気がするのだ。万が一、関係者が故意にそれを行ったとしても、それを知っているのはその本人のみであろう。つまり、彼が“恨む”べきは、その人物だけで良いので、多くのアニメーターたちまで犠牲にする必要など何もない。それに、彼は大切なことを忘れている。もし、彼が“パクられるほどの才能”を持っているなら、他のところにもどんどん小説を応募すれば良いのだ。そうすれば、必ず、そのうち応募作品は“何かの賞”を受賞するようになる。何の「賞」でもそうだが、こういうものには“運・不運”がつきもので、時にはすぐれた作品が埋もれてしまうこともある。けれども、根気よく書き続けて応募し続けていれば、必ず、認められる作品や時期が出てくる。“才能”には、一気に花開くタイプの人と、徐々に花開いていく人とがいる。また“分野”を変えることで、“環境”を変えることで、急に認められだす人もいる。粘り強く、何年掛かってもあきらめない姿勢でいれば、そのうち、自分でも“コツ”のようなものがつかめる時が来る。焦りは何においても「幸運」を与えてはくれないのだ。
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