あなたは「地球平面説」をご存じだろうか。多分、知らないだろう。いや、何かで聴いたり観たりしたかもしれないが、興味を持たなかっただろう。それが日本人の“正常な姿”なのだ。ところが、今、アメリカでは急速に「地球平面説」の支持者たちが拡大しているのだ。しかも、それは“お年寄り”ではなくて“若い人たち”にだ。実は、アメリカ人自身はあまり感じ取れないのだが、このユニークな仮説は「進化論」を信じない人々ともリンクしている。信じられないことだが、アメリカの最近の調査では「進化論を信じていない」という人が40%にも増えているのだ。どうして増えているのかというと、こういう言い方は良くないが「宗教に逃げていく」人たちが急速に増えて来ているからだ。言い方を変えれば、自然科学の教えではなく、キリスト教福音派の教えに“忠実に生きようとする人々”が増えているからだ。そういう人々にとって、自然科学の教えはNASAや政府の“陰謀”であって、或る種の“洗脳”にすぎない。われわれ人間は「神」によって“造られしもの”であり、地球もまた“平面であるべきもの”なのだ。そして、それを信じる「地球平面協会」のメンバーは既に20万人を超えたという。彼らは「地球が平らなことは見ればわかる」と主張する。この同じような言葉を17世紀ガリレオの宗教裁判の時、教会の牧師たちは言っていた。ちなみにガリレオは「地球はまわっている」とは言っていないのだ。「地球は動いている」と著書に書いた。本当は“火あぶり”にされるところだったのだが、高齢で一応“誤りを認めた(⁉)”ので火あぶりだけは逃れた。その時代に戻ったのか。18歳~24歳の若者たちの18%が「地球を球体だと思ってきたわけではない」と回答している。つまり、アメリカは病んでいるのだ。より正直に言えば、この回答率が暗示するのは「現実を見たくない」という若者たちの“叫び”なのだ。「神は6000年前に人間を作った」「われわれが暮らしているのは“高速で回る”地球ではなく、穏やかな地上なのだ」確かに、これらの仮説は心地好い。特にアメリカのように貧富の差が激しく、すべてがIT化された“無機質な社会”の中で、今後を生きなければならない若者たちにとって「地球平面説」は“ゆりかご”のように心地好いのだ。トランプ大統領は、常にどこかと闘っている。そうしなければ「アメリカでは生きていけない」と教えているようだ。けれども、自分たちは違う。“ゆりかご”の中で“神に見守られながら”生きていける。進化など必要ないのだ。
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