欧米人と日本人とでは「評価の基準が異なる」と感じることは多い。英BBCが毎年行っている“人々に感動や影響を与えた”世界各国の「100人の女性」の発表が10月16日に行われ、日本では“女相撲”の復活に取り組む女性と、職場における“ハイヒール強制の反対”を提唱した石川優実氏とが選出された。これに共感できる日本人がどのくらいいるだろうか。極めて少ないと私は思うのだ。“女相撲”の方はともかく、職場における“ハイヒール強制の反対”という運動は、確かにそういう“運動”があったな…程度の認識はある。けれども、それを提唱したのが“グラビア女優”であったことを、今回、私は初めて知った。グラビア女優の職場ってどこだろう。多分、種々な撮影会場なのではないか。グラビアだから種々な衣裳を着る。そういう時に、衣装によってはハイヒールの着用を求められることはあるだろう。けれども、それは一般的なオフィスでの話ではない。さまざまな職種によって、さまざまな服装の着用が求められる。それは世界各国共通である。私が大昔、普通の会社勤めが嫌だった一つの理由はネクタイと短髪が“一応の基準”だったからである。私は当時長髪だったし、ネクタイというのも“何となく”嫌いだった。そういう意味では、現代は普通の会社勤めでも大抵の職場では“自由な服装”が許されている。営業などでもネクタイは強制ではなくなった。良い時代になったものだ。さて、彼女の主張によれば、日本では未だに「ハイヒールが強制される」というのだが、特別な職種を除いて、そういう職場が多いとは思えない。もし、彼女がハイヒールの着用を嫌うなら、グラビア女優という“特異な職種”を択んだことに疑問符を持つ。現代の日本にはいくらでも“服装自由な職場・仕事”が存在している。そういう点で、特別、欧米に遅れていると、私は思わない。ましてや、彼女のもう一つのお仕事である「ライター」等では、誰もハイヒールを強要したりはしないだろう。確かに現在でも「ハイヒール」が強制ではないにしても“望ましい”職場・職種はある。けれども、“そういう職場”や“そういう職種”を択んでいるのは本人である。現代の日本では親が職種を強制することはないし、よほどハイヒール好きな親でもない限り、それを望まない。むしろ、誰も望んでいないのに、時々「超ハイヒール」で闊歩している女性を見掛ける。強制されたとはとても思えない。かつてマリリンモンローは後姿がセクシーに見えるように“左右のヒールの高さを変えた”と言われる。そうすると、嫌でも“腰を振りながら歩く”歩き方になる。そういう運動を提唱するような女性が出現したなら、BBCは「100人の女性」に掲載するのだろうか。
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