「正夢」とは、文字通り、夢に見た通りのことが“現実”になることである。昨日、カンニング竹山氏が放送の中で「正夢」体験を語った。それは「カンニング」という芸名の由来についてだった。この芸名は2006年12月に急性リンパ性白血病で亡くなった相方・中島忠幸(享年35)氏が観た「夢」を基にして使い始めたという。中島氏が夢の中で「次はカンニングです」と呼ばれて舞台に出ていくと観客から歓声を浴びていた、というのだ。それで「じゃあ、その名前を…」ということでコンビ名を「カンニング」に決めたというのだ。相方が亡くなっても「カンニング」を使い続けた最大の理由だった。ところが、ここで重要なのは、その名前になってすぐ彼らは“売れた”わけではない。その後十年経ってから突如売れ出したのだ。そうして忙しくなって、あちこち呼ばれ、舞台に立って歓声が上がった時「これだ、夢で見たの」と中島氏は言ったという。そうなのだ。「正夢」というのは、実現するけれども“すぐ実現する”とは限らない。彼らの場合には十年もかかった。けれども実現はした。私は娘が生れる時に同じような経験をした。結婚後2年経っても、子供が産まれる感じが何故かしなかった。ダメかもしれない、何となくそういう気持ちになっていた。そんな或る日、私は夢を見た。明るく活発な印象の女の子が、勢いよく私の方目掛け走って飛び込んで来たのだ。おかっぱ頭でチェックの洋服を着ていた。4~5歳くらいの印象を受けた。目覚めた後、私は漠然と「女の子が生れるのかもしれない」と思った。それから40日ほど経って、妻が妊娠したことを知った。そして生まれたのは女の子だった。しかも、私たちにはあまり似ず“明るく活発”に成長した。ただ印象的だったチャックの洋服は着せたことがなかった。正直に書けば、その初婚の時の妻とはやがて別れた。そうして、娘との交流も途絶えた。私は再婚し、十年以上が経った。或る日、義母がやって来て、私にこんな話をした。「母さん(義母の母親)がね、夢を見たって言うの。私の部屋に行ったら、鍵が掛かっていて、おかしいなと思って鍵を開けたら、部屋の中に何にもないの。そして部屋の真ん中に立派な遺骨箱がぽつんと置かれてあるの。他には何にもないんだって……先生(私のこと)は、この夢をどう解釈する?」実は、義母はその時、病院から退院をしてきて間もなかった。私は言葉に詰まった。「母さんは私が死ぬんじゃないかって…」「夢は、その通りに出てくるとは限らないんですよ。お祖母ちゃんは多分、自分が亡くなったら、お義母さんが立派な遺骨箱で葬ってくれる、ということを予知した夢を見たんです」私は、そう言いつくろうのがやっとだった。「そうかね」義母は少し安心したようだった。それから8カ月ほど経って、義母は亡くなった。義母の遺骨箱は立派だったが、一度も、その部屋に置いたことはなかった。
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