昨日、大阪市内で、昨年9月に自宅マンションから飛び降り自殺した少女の両親による「メモ」の公開と記者会見が行われた。メモは走り書きで、二種類あり、そのどちらにも「死ねって言われた」という部分が出てくる。母親は朝に一つの方を見つけて、学校へと出向き相談したが、明確な対処はしてもらえなかった。少女は学校を休んだので、昼間も自宅に戻って昼ご飯を一緒に食べてから出掛けたが、その後ひとりになってから、少女は自殺を決行した。学校を休んでも、母親と一緒にお昼を食べても、少女は最後まで何も相談せず自殺を決行した、ということになる。このケースの場合、少女の自殺当日に、わざわざ母親が学校へと出向いているので、しかも、わざわざ昼も戻って一緒に食事しているので、親の側には何ら問題はない。むしろ、そうまでしたのに、学校側が何もしてくれなかった、ということでの記者会見であったのだろう。それは確かに、その通りなのだが、より根本的な問題は、最近の子供達が、自分の両親にも、担任教師にも、なぜか本当のことを話そうとしない、相談しようとしないことにある。どうして相談しようとしないのかというと「迷惑が掛かる」と思っているからだ。或いは「自分のことで巻き込んでしまう」と考えているからだ。或いは相談しても「どうにもならない」と結論付けているからだ。これは世代的な傾向のようで、今の子供達は総じて「自分のことは自分で何とかしなければ…」という意識が強い。或いは「迷惑はかけられない」という意識が強い。どうして、そんなに“お行儀が良い”のだろうか。もしかすると、TV等で事件が起きた時、親とか周囲の人たちが巻き込まれていくのを観ていて、“巻き込むのは良くないこと”という思い込みがあるからだろうか。多分、それもあるのだろうが、一番の理由は、現代は“共働き”の家庭が多く、幼い頃から両親の“忙しい状態”を観ていて、迷惑はかけられない、という想いが植え付けられているせいだろう。逆な言い方をすれば、それだけ“親子としての接触度”が乏しいのだ。日本の場合、子供に経済的な負担を負わせたくないという意識の強い両親ほど、夜遅くまで働く。そうすると、どうしても子供と接する時間は限られてくる。当然のことだが、真面目な両親からは真面目な子供が産まれ育つ。子供の方も、そういう両親に自分のことで“煩わせてはならない”という意識が働くようになる。だから、学校でのイジメを親に相談できない。だからといって、学校側に相談できるかというと、それも出来ない。今度は先生に迷惑が掛かる。それ以前に、先生の方も忙しそうである。自分の相談をまともに聞いてくれそうもない。昔のように、教師と生徒の間の“密着度”も薄れている。だから、相談できないのだ。要するに。家庭の中でも、親子に距離感があり、学校の中でも教師との間に距離感があり、どちらも本当の相談相手として思い浮かばない。自分自身での解決方法は「死」の選択しか思い浮かばなかったのだ。
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