アメリカにおける“新型コロナ死者数”は12000名を突破しているが、そのうちの半数近くをニューヨーク州が占める。あっという間に“ウィルス”が蔓延した街になってしまったのだ。それを抑えるため、一気に都市の封鎖に踏み切った結果、大量に増えたのが失業者だ。3月後半だけで1000万人以上が失業保険の申請をした。職種的には“サービス業”部門での失業者たちがもっとも多い。実はここにアメリカの“根深い問題”が潜んでいる。アメリカ人は、仕事で雇うのも早いが、切るのも早い。日本のように個々の事情とか情緒的な思惑などを加味することはない。雇っていた相手が“突然の首切り”で路頭に迷っても、関係がない。特に飲食店やホテル業などサービス業分野はそうだ。ところがニューヨークで働くためには、その付近に居住しなければならない。その家賃が、近年はめっぽう高い。どうして高いのかというと、景気が良くなってきて物価が全体的に上がり気味だったからだ。失職したニューヨーカーは家賃を払うことが出来ない。ここでも、大家さんは日本のように「クビを切られて大変だね」などと待ってはくれない。即刻、追い出されてホームレスになる。今、急増しているのは“テント暮らし”のホームレスだ。もちろん、失業保険の給付は受けられる。けれども、サービス業の場合は、ちょっとした“からくり”がある。アメリカには“チップ制度”が残っていることだ。このチップこそが“本来の取り分”として、給料そのものは安く抑えられているケースが多い。失業保険で対象となるのは、もちろん“正規の安い給料”である。街は“コロナで封鎖”されたが、健康保険には加わっていない人達が多い。したがって万一病気に掛かっても、病院に行くことが出来ない。べらぼうな医療費を請求されるからだ。加えてアメリカ人はローンを抱えている人が多い。さらに問題はアメリカ人の貯蓄率が8%と極端に低いことだ。もちろん、低所得者層に貯蓄を望むことはムリで、その意味でも“テント暮らし”が急増することは間違いがない。そういう人達用のシェルターもあるが、ひと部屋4人以上の相部屋となる。多くの人が「アメリカンドリーム」を望んで集まるニューヨークだが、別に“新型コロナ”の問題がなくても、何かしら“心寂しい街”なのだ。
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