このところ著名芸能人の事務所からの“独立”“フリー”の報道が多い。昨日も、大手芸能事務所「太田プロ」から女優の前田敦子氏の今年いっぱいでの「独立・フリー」が公表された。今年に入って、独立したり、フリーとなったり、完全引退したり、休業したり…といったニュースが雪崩式に繰り返されている。もちろん芸能事務所が、そういうことに対してオープンになったということもあるのだろうが、比較的、これまで事務所との関係が良好だった人たちまで、申し合わせたように独立している。今年の“コロナ騒動”によって打撃を受けたのは、飲食店や観光産業だけではない。芸能関係のイベントも、舞台も、公演も、その多くが中止や延期となった。これまで“ファンの身近に居る”ことが“売り”だったアイドルも、歌手も、芸人も、アスリートも、距離を取らざるを得なくなった。若手“売り出し中”の芸能人を多数抱えている芸能事務所にとって、大物たちの“稼ぎ”が事務所の経営を支えてきたわけで、イベントなどがことごとく中止になると、大きな収益源を失うことになる。年棒を公開している“野球”などが良い例だが、必ずしも大活躍したからといって、人気球団に所属していなければ、その年棒は抑えられる。ましてや今年のように“無観客試合”なども行えば、大幅収入源で、活躍した選手に出したくても出せない球団事情が生じる。芸能事務所も同じことで、抱えている“社員”としての“若手芸能人”に“ギリギリのライン”は出さなければならない。高所得者の大物たちには、普段は受けないような仕事でも“受けてもらう”などの負担が生じやすい。既に名前が売れている芸能人であれば、独立してフリーとなっても“仕事が舞い込む”かのような幻想が生じやすい。何よりも、“受けたい仕事だけ受けられる”という特典が生まれる。もっとも、現在のように、景気そのものが停滞してしまうと、スポンサー企業がどんどん離れていく可能性が強く、名前があるから大丈夫な芸能人は少ない。それでも「自由を択ぶ」芸能人は急速に増えている。一般企業でも、同じような現象が目立ちつつある。さまざまな制約を生む“コロナ事情”の中で企業の言いなりになるより、独立して“自分の能力を試したい”と思う人は多くなる。「出社する」ということが乏しくなった企業や職種では特にそうである。会社に行かなくても収入が得られる、という快感を一度味わってしまうと、人はどうしても、そういう方向へと舵を切りたくなるのだ。おそらく、現在のような“コロナ事情”が来年も続いていくなら、一気に独立やフリーを目指す人たちが増えていくだろう。
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