アメリカの最新の研究報告で、ナルホドと納得するデータが公表された。昨年春からほぼ全面的に「オンライン授業」に切り替えている多くの州では、子供たちが精神的にSOSを発信しているというのだ。つまり学校指定の精神科の外来に、子供たちが診療に訪れる数が徐々に増えつつあるらしい。前年比で、5歳~11歳の小学生では24%増となっているし、12歳~17歳の中・高生では31%増となっている。明らかに子供たちの「オンライン授業」は、精神生活にはマイナスなのだ。幼い頃から何時間もの間、コンピュータと向き合わなければならない「オンライン授業」は、大人だったとしても毎日なら苦痛に感じる。まして子供たちにとっては、或る種の“集中力”や“自己管理”を必要とする画面学習は、妙に退屈な部分と緊張感が抜けない部分とを同時に感じさせる。時には周りから常に「覗かれている」ような苦痛を感じるかもしれない。その結果として、実際に学校に通う授業よりも「こころ」の病を生じさせやすい。実際、前よりも「うつ」「自傷行為」「自殺未遂」の報告が多い。学校に通わないことで、直接的な“イジメ”は存在しない。けれども、周りと関われない“疎外感”は強まるばかりだ。まだ精神的に安定していない年代の子供たちにとって、“たわむれる”とか、“ぬくもれる”とか、“ふれあえる”とかの行為は、とても重要なのだ。実は「オンライン授業」では根本的にいくつかの授業が省かれている。例えば「運動・体育」の授業「音楽・歌唱演奏」の授業「美術・図工」の授業である。これらは謂わば「自習」という形になっている。つまり、みんなと一緒に“走る”とか“歌う”とか“描く”とかが出来ない。これらは、ただ単なる“学習教育”というよりも“情操教育”や“ストレス発散”的な意味合いも担っている。だから、実はとても重要なのだ。同級生同士で“会話する”ことも、人間関係の作り方を“肌で学ぶ”という意味から言えば重要で、大人社会は「仕事だけしていれば良い」というわけにはゆかないのが実際の社会だ。昔「ふれあい」という歌があったが、われわれは誰でも意外なほど“寂しがり屋”なもので、何日間も独りにされると、大人でも滅入ってしまうように出来ているのだ。
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