アメリカでは4月28日にバイデン大統領が施政方針演説を行った。その中で“民主的な国家”にとって脅威である“中国との対決姿勢”を鮮明に打ち出した。昔からアメリカ人というのは「正義の国家」と「悪魔の帝国」を対決させるのが好きらしく、映画「007」の初期の頃は「アメリカ(英国諜報部)」と「ソ連(現ロシア)」の対決を“その背景”として物語を作っていた。それが最近では“アメリカ的な組織”と“中国的な組織”の対決に入れ替えて物語を構成している。そういう単純発想で“正義”と“悪魔”の対決を描き、最終的に“正義が勝利する”というのが、アメリカ人好みのストーリーなのだ。今回の施政演説でも、そのメインストーリーは変わっていなくて「日本」は“アメリカ側”の一員として語られている。「日本」という島国は、国家としての「アメリカ」にとっては“地球上のリーダー”を自認する国家として極めて重要な位置にある。なぜなら「中国」の隣だし「北朝鮮」の隣だし「ロシア」の隣だし「台湾」の隣でもあるからだ。これら“やっかいな国々”を牛耳るためには「日本」の位置や存在が重要なのだ。実は「中国」にとっても隣国「日本」は“地球制覇”の遠大な目標においては重要な拠点になる。それに「日本」は、あらゆる点で“西洋”と“東洋”を“折衷した部分”を持っていて、中国人にとっては“やや苦手意識”のある西洋人を巻き込んでいくためには、必要不可欠なのが日本人なのだ。ところで29日の夜、在日「中国大使館」はツイッターの公式アカウントに“施政方針演説”を皮肉った「死神」のイラストを投稿した。この「死神」はタロット占いで登場する「死神」とほぼ同様の図柄である。異なるのは、死神が着ているのが“アメリカ国旗”のように見える点だ。つまり、この「死神」は“アメリカさん”で、その死神の歩く廊下には、いくつもの扉があって、そのドアの上には「イラク」「リビア」「シリア」などの表札がある。そして、それぞれのドアが開かれ、大量の血が流れ出て来ている……という風刺画なのだ。その表題には《米国が「民主」を持ってきたら、こうなります》と記されている。なかなかのブラックユーモアだ。さすがに「大使館が行うツイッターではない」との抗議があって削除されたが、私は、そのことよりも在日「中国大使館」にはタロット好きの人が居るような気がして、妙に愉しかった。
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