大分県宇佐市にある「市民図書館」その設立20周年の記念事業として、地元の“宇佐2001ロータリークラブ”が、市民図書館に通う小学生たちに対して「読書の通帳」5000冊と記帳機1台とを寄贈した。「読書の通帳」と言ってもピンとくる人は少ないだろう。要するに普通の金融機関で用いる“預金通帳”を思い浮かべていただきたい。あれとほとんど同じような“もの”を「読書の通帳」として、小学生たちにプレゼントしたのだ。通帳の表紙などには、この図書館のオリジナルキャラクターなども描かれ、無味乾燥な通帳ではない。そして“預金通帳”と同じように、記帳することによって《借りた月日》《本のタイトル》《著者名》《価格》が印字されることになっている。つまり、自分がいつ、どの本を借りて、どのくらいの冊数を読んでいるのか、一見して解かる仕組みになっている。しかも、本の価格も印字されることで、借りている本の“大切さ”とか、知識として蓄えた“金額の価値”などが解かり、楽しみながら学んでいく部分が大きい。おそらく、このようなことを行っている図書館は他にないよう思うが、この「読書の通帳」をもらった小学生たちが、やがて中学生となり、高校生となっても、この“通帳”を増やしていくことが出来れば、自分自身の“成長記録”としても重要な役割を果たすのに違いない。われわれは普段、あまり意識せず本を購入しているが、一生の間のその金額たるや相当なものになる。よく「読書は財産になる」などというが、実際には、あまり“金銭的な価値”としての財産を意識することはない。けれども、幼い頃から、こういう風な感覚で読書を行っていけば、頭の中に“お金を蓄えていく”ような感覚が身につくかもしれない。それに、子供たちが無意識のうちに友達より“たくさん読もうとする”競争意識のようなものも生まれるかもしれない。「読書の通帳」を何冊も持つことで、何となく“将来のお金持ち”になったような気分を味合わせてくれるかもしれない。間違いなく、宇佐市の小学生たちは全国に誇れる「読書の通帳」を持った。このような試みが全国的に広まって席巻していけば、ごく自然に子供のうちから“漫画以外の本”も読みだす子供たちが次々と増えていくのに違いない。
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