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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


980円の雑誌に「2000円相当の美容液」が付録


私は幼い頃、雑誌の「付録」というものが大好きだった。なぜかあの頃、少年雑誌は“付録ブーム”で、それぞれの雑誌が多数の付録をつけていた。いまでは考えられないかもしれないが「21大付録」とか「23大付録」とか、これでもか、これでもか、という具合にたくさんの付録を附けていた。それから何十年も経って、たまたまドイツを旅行した時、書店で大きな革のバッグが付録としてついている雑誌を眼にして、思わず購入してしまったことがある。旅の途中だったので、すぐさまそれを使って役立った。あれからまた何十年も経って、今度は日本国内で、再び“付録ブーム”がやって来ていることを知った。仕掛けているのは小学館らしい。最新の『美的』という雑誌では何んと「シャネルの高級美容液」を付録としている。980円の雑誌だが、本来30ml=13000円もするシャネルの高級美容液が、その5ml(試供品)=2000円分⁉ 豪華箱入りで付いてくるのだ。そのほか『DIME』という雑誌では「16倍の光学ズーム」を付録で付けているし、子供向け『ちゃお』という雑誌では「スマートウォッチ」を付録としてつけている。これらはいずれも、ちゃんと機能するもので、もし普通に購入するとすれば、間違いなく“その雑誌以上の価格”ということになる。これらによって、それぞれの雑誌の売り上げが急速に伸びていることは言うまでもない。どうして、このようなことが出来るのか。一つには「宣伝費」として考えれば、各ブランドメーカーにとっては“痛くない出費”ということになるからだ。確かに、シャネルの美容液の試供品だけを購入しようという人はいない。けれども実際に試してみて効果があれば、13000円の正規品を購入する人も出て来るに違いない。高額品の「売り方」としては決して悪い方法ではない。それに「売れる」「売れない」よりも、そのブランド名や自信ある新商品名を大衆にアピールする方法として、これほど有益な方法はない。いまはアッという間にSNSで「バズった商品」が知れ渡るからだ。一時期「もう雑誌の時代は終わった」と言われたが、もしかすると“新たな付録商法”が、雑誌たちを蘇らせるかもしれない。
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