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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「自販機」で“ソース”“かるた”“ジンジャエール”


日本は自販機の多い国として知られる。実際、海外で自販機を見掛けることは少ない。日本の自販機では今やさまざまなものが手に入る。昨年、東京北区の王子駅前にある複合ビル「サンスクエア」に設置された「北区の自販機」がユニークさではいちばんかもしれない。何しろ、一つの自販機で“ソース”も売っていれば、“箱ティッシュ”も売っているし、“うどん”も売っているし、“そーめん”も売っているし、“スケッチブック”も売っているし、“すごろく”も売っているし、“かるた”も売っているし、“ジンジャエール”も売っている。一見、滅茶苦茶な組み合わせで自販機が作動しているのだ。そして、その横に“商品説明の看板”が設置されている。考えてみれば、そういう形で商品説明をしている自販機も観たことがない。実は、この自販機は「北区」が地元に本拠を置く各企業や学校に働きかけ、商品を用意させたもので、地元密着型の自販機なのだ。だからコンビニでもないのに、箱ティッシュやたわしやソースが買えるのだ。ここで売っているジンジャエールは地元高校生発案の「はちみつジンジャエール」だし、ソースも地元企業による「生ソース」なのだ。すごろくだって、ただのすごろくではない。晩年をここで暮らしたという「渋沢栄一すごろく」なのだ。それぞれが、手作り感が満載の品物ばかりだ。だから徐々に浸透していって、いまでは遠くから、わざわざソース1本、ジンジャエール1本のため買いに来る人達まで出て来ている。この自販機そのもののデザインも「都電荒川線」の電車車体のイメージで緑色になっている。確かに遠くから見ると“車体のような雰囲気”はある。こういう地元密着型の自販機というのも、特に観光地とか何かの特産物が有名な地域でなら、大いに自販機が活躍してくれる可能性がある。この地域で始めたのも「地元企業や学校のイメージアップ」が大きかったらしい。昔、自販機にはアダルト雑誌専門の自販機があった。素晴らしいアイディアだと思ったが、子供が自販機で購入する、という問題が起こって消えていってしまった。現代なら「子供」かどうか見分けられると思うので、ぜひ、またユニークな大人の愉しみを詰めた“素晴らしい自販機”を開発してほしいものだ。
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