破産した「てるみくらぶ」に就職が内定していた50人の今後を“救済したい”という企業が表れている。それはそれで喜ばしいことだが、このような理不尽な問題が起こった時「私の人生を返してほしい」などと訴える人を見ると「それは違うよ」と言ってやりたくなる。確かに、採用5日前になっての企業倒産で“前途が絶たれた”ように感じるのは無理もない。けれども、誰でも人生に一度や二度は、どこにも訴えようがないような“理不尽な出来事”を経験している。そういう人の方が大多数なのだ。もちろん、それは就職という出来事に限らない。しかも今回の場合は、会社側が企画したツアー参加目的で多額のお金を既に振り込んでいる人たちもいる。そういう人たちが“第一の被害者”なのだ。もし、これが実際に働きだして5日後であれば、いくら入ったばかりだといっても“加害者側”として対応しなければならなかっただろう。そういう意味で言うと、ラッキーだったともいえるのだ。ましてや「救済企業」まで出現している。ものは考えようで、“不運”にもなれば“幸運”にもなる。採用取り消しとなった50人にとっては、人生最初の“躓き”かもしれないが、それが後々良い経験となって作用することもある。人間は、“大きな挫折”とか“理不尽な出来事”とかを経験することなく成長すると、周囲の人達への本当の意味での配慮や理解力が培われない。自分の尺度、応用の利かない考えでしか相手に対応できないものだ。ところが、紆余曲折ある人生、さまざまな挫折、理不尽な出来事をいろいろ経験していると、どのような相手にでも対応できる“懐の深い人間”になる。嫌でも“理解力ある人間”や“包容力ある人間”や“清濁併せのめる人間”になるのだ。中でも“清濁併せのめる人間”という部分が重要で、実は潔癖感の強い日本人は、この部分が弱い。人間としての“器の大きさ”も関わってくるが、近年は特に“清濁併せのめない”人達が多くなってきているような気がする。
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