アラビアの格言「人は生まれ、人は悩み、人は死んでいった」ほど、真実をついた言葉はない。誰もが悩みながら生きている。文春報道を受けて、小室哲哉氏が引退を表明した。その会見は“苦悩”に満ちていた。私も、妻が“病身”であるので、小室氏の“言いたいこと”はよく解かる。近年の週刊誌報道に関しては、さまざまな人達が“疑問”や“批判”を述べている。日本のマスコミだけを特別視している人もいるが、近年の“暴露報道”や“セクハラ・パワハラ・倫理・差別”などの摘発は世界的な現象であり、“ツイッター”や“ライン”や“インスタグラム”や“ブログ”や“ユーチューブ”などの共有情報が、それらに加担していることは否めない。昔「知り過ぎたのね」という歌の歌詞があったが、われわれはいま“知り過ぎる”ことでのいろいろな問題を抱えつつある。最初に示したように、人は大昔から“悩んで”生きて来た。その中で、さまざまな発明が生まれ、さまざまな芸術も生まれた。多くの人は気付いていないが、さまざまな発明・発見は“悩み”の中から生れている。さまざまな芸術や芸能も“悩み”の中から生れている。多くの偉大な芸術作品は“悩み・苦しみ”がもたらしたものなのである。例えばゴッホの絵画にしろ、ピカソの絵画にしろ、その根底には“苦悩”があり、“叫び”があった。そして、彼らの私生活は一般的にいえば、必ずしも“褒められたもの”ではなかった。芸術家の中には“倫理的な観点”から見ると、“人間失格”の人物もいる。偉大なる科学者とか発明家にしても、倫理面だけで言えば問題のあった人物は何人もいる。そういう過去の歴史の積み重ねの上で、われわれは生きている。何が正しいか、正しくないかは、本当のところ“神様”にしか判断できない。ただ確かなことは、時代がどんなに進んでも、だから“幸福な人が増えていく”というのは幻想にすぎない。人は最終的に“悩みながら”生きていくのだ。
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