内閣府の調査で40~64歳の「引きこもり」が61万3000人もいることがわかった。これまで調査してきた15~39歳の54万1000人よりも多い。いつの間にか中高年の「引きこもり」が急増しつつあるということだ。ただ私には疑問がある。どこからを「引きこもり」とみなしているかだ。例えば私なども4~5日くらい、家から一歩も外に出ないことはある。特にフリーで自宅内を仕事場としている場合、仕事が忙しい場合とか、悪天候が続く場合とか、体調がすぐれない場合とか、自ずと家から出ないで済まそうとするのは自然なことのように思う。もっとも、通常は“半年間”という期間が「引きこもり」の目安らしい。それならば、私と似たような環境で生活する場合でも、自ずと外出するわけだ。引きこもりの人達の一番の特徴は「社会参加をしたがらない」ということらしい。40代以降での引きこもりの“きっかけ”は「退職」「対人関係」「病気」がその多くを占めるようで、15~39歳までの“きっかけ”とは多少違っている。比率的には男性が¾を占めていて「退職」が“引き金”になっているケースが多いことを窺わせる。確かに、40代以上で「早期退職」とか「リストラ」とか「自主退職」した場合、その後に再就職するのは簡単ではない。余程のコネとか、特殊技能とか、貴重な履歴を持っている場合は別だが、取り立てて“活かせるもの”を持っていない場合、面接で“好印象”を与えられる人以外の再就職は難しい。もちろん、何十度でもチャレンジし続けるような根性の持ち主なら別だが、2~3度挑戦して意欲を失ってしまう気の弱い人だと、本人は引きこもりたくなくても、実質、引きこもりのような生活を強いられてしまうケースも多い。現代はインターネット通販というものがあるから、家から出なくても、生活必需品はことごとく揃えられる。「対人関係」でひどく傷ついた人などの場合、人に“逢う”こと自体が苦手になっていて、それが家から出たくない一番の原因だったりする。「社会参加をしたがらない」と定義されがちな引きこもりの人達が、果たして本当にそうなのか、そうであり続けるのかは大いに疑問がある。一時的には“社会”に背を向けても、やがて「もう一度、朝日を浴びながら出社したい」という気持ちに切り替わる可能性もある。失われた“対人関係”も「今なら大丈夫かもしれない」と感じることがあるかもしれない。病気の場合だって「毎日は無理でも週何日かは…」と意欲を取り戻すかもしれない。長い人生には「ひなた」よりも「ひかげ」の方が過ごしやすい時期もある。けれども、月日の流れは、もう一度「ひなた」の中で“懸命に生きたい”と思うこともあるはずなのだ。そういう時に、手を差し伸べてあげられる環境を整えることが「ひなた」を生きてきた周囲の役目なのだ。
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