世の中には“顔”や“名前”が出なければ何をやっても良い、という困った考えの持ち主がいる。本人としては「罪」としての意識が低いのかもしれないが、“ネット上の批判や中傷”も度が過ぎれば当然「犯罪」の範疇に入る。ただ芸能人などの場合、人気の裏返しのようなところもあって、受け流して来ている人たちが多かった。けれども最近になって、それらに真正面から向き合う人達も出てきた。ネット上の過度の中傷に対しては「発信者情報開示請求」と呼ばれるものが法律的に認められるようになった。それが通ると、どんなに仮名で投稿していても、中傷を受けた側が相手の本名を知ることが出来る。そのような過程を経て、昨日、女優の春名風花氏がネット中傷者の1人に対して“265万円の支払い”を求めて提訴に踏み切った。問題の中傷投稿には「彼女の両親自体が失敗作」という表現があり、これを“許しがたい中傷”と捉えたようだ。実は彼女だけでなく、多くの芸能人・有名人がネット上で中傷・批判にさらされている。同じように「発信者情報開示請求」から投稿者を突き止めた元アイドルで実業家の川崎希氏は昨年10月に「今後は許さない」と警告を発している。彼女の場合「流産しろ」とか「自宅を放火する」という脅迫文めいた内容で、我慢の限界に達していたようだ。このような動きが進んでいくことで、ネット上の無記名投稿でも本名だけでなく、それ以外の情報まで伝わってしまうということになれば、自然と「姿なき中傷」も減っていくのではないだろうか。私は芸能人や有名人に対する批判や中傷をすべて無くすこと自体は良いと思わない。有名人であろうと、誰であろうと、批判されて当然と思う場面もあるからだ。ただ、その場合であっても自らの名前は出すべきで、自らの姿を隠して批判・中傷するのはアンフェアである。私はだから稀に批判してくる方には、必ず「名前を出してください」という。名前を出せないのは、どこかに心やましい部分があるからなのだ。
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