東日本大震災以降「似顔絵ボランティア」を続けて来たイラストレーターの森琢磨氏(46歳)が10月14日に亡くなった。今年2月に「肺がん」が発覚し、その後は闘病が続いていた。彼が東北各県で“似顔絵”をプレゼントした人は9000名を超える。似顔絵と言っても“普通の似顔絵”だけではない。震災で亡くなった息子さんや娘さんの“成長後の姿”も描くことが出来る。正にプロ中のプロなのだ。受け取った人の中に「亡くなった息子が観たら、さぞ喜ぶことでしょう」と言っていたのが印象的だった。そういうボランティアをなぜ始めたのかというと、丁度、震災が起こった頃に自分自身の父親を病気で亡くしたからだ。その時の“喪失感”が、同じように“喪失感”を味わっている震災の被害者たちに、自分が出来る方法で寄り添いたいという想いを与えた。そして毎年出掛けては、自らが病気になるまで9000枚以上の似顔絵を描き続けたのだ。けれども、そういう“善意の人”の命を「神」は46歳という若さで奪った。大きな自然災害、不慮の事故、命を奪う病魔は、予期せぬときに理不尽な形で襲ってくる。われわれはそれに逆らう“手立て”を持たない。今回の台風だって、あれだけ予測は出来たのに、結果的には大自然に勝てなかった。私は自分の母親の“不慮の死”も父親の“病魔”も、その数か月前から“何となくの予感”を持ち、“それとなくのアドバイス”を何回かしたが、結果的には役立たなかった。身内に対して「死」という予言は出来ない。義母を最期に占った時にも「外出はしても良いけど、家の近くで留めておいた方が良いかも…」というのがせいぜいだった。珍しく不満そうな顔をしたので「まあ、体調が良い時には長時間でなければ…」と付け加えておいた。誰かの「死」が、人生の転機となっている人は多い。私なども実母の「不慮の死」がなければ“プロ占い師”となっていたかどうかわからない。少なくとも20代半ばから始めることはなかっただろう。母親が亡くなってすぐ十万円もかけて「運命鑑定」の看板を作ったのだ。私が占いを教えた方の中に、旦那さんが亡くなって、それが元で“占い”を本格的に学び出した方が二人いる。しかも、奇妙なことに、その二人の旦那さんは両方とも生前プロ占い師であった。このお二人はそれぞれに夫の跡を継ぎ、プロ占い師として活躍している。一人の方は夫の書籍棚から“私の本”が出て来て習おうと思ったそうだ。もう一人の方は夫の友人だった女性占い師の方から強く勧められて習いに来た。「死後生命」というのがあるのかどうか、私は知らない。もし有るのだとしたら、母親は相当頑張って、私を支えているのだろう。
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