最近、差別に関するトラブルやニュースが多い。「人種差別」「性差別」「信仰・思想による差別」「経済的な差別」「外見的差別」など挙げていけば切りがない。とにかく世界的に“差別を許さない社会”を模索しつつあるような気がする。そうして、それに“違反?”した場合には、多くの場合、社会的な糾弾を受ける。時には、その企業とか、店舗とか、人物とかが“猛バッシング”される。そして多くの場合には「謝罪」を余儀なくされる。時には、それでも済まずに企業倒産、店舗の閉鎖、個人の役職・仕事・収入とかまでも剥奪される。要するに徹底的に叩きのめされる。確かに「差別」は良くない。が、しかし、世の中に「差別」というものを、まったくしていない人などいるのだろうか。もちろん、ここで言うのは「あからさまな差別」ではない。あからさまな差別は、少なくとも“常識をわきまえた大人”はしないものだ。けれども、事実上の“優先的な差別”は、誰でも、どこでも行っている。よく飛行機に乗り込むときに行われる“優先搭乗”というやつだって、或る意味では立派な差別だ。特別な“お客様”だけを優遇するというのは、どの企業とか、職種でもやっている。例えばデパートだって、“特別なお客様”の元には自宅に居ながらデパートの方からやって来る。企業間取引にしても、大口の取引先は優先的に受け付ける。多少、単価が安くても、納期が短くても「かしこまりました」と受け付ける。一見の客や依頼者には不愛想に応じるのに、大手や役所の仕事になると平身低頭している経営者を見ることも多い。とにかく、誰もが、意識しているかいないかは別として、差別というものを行っている。先日、新宿の二丁目で老舗の「レズバー」が“元男性の女性”の入店を拒否したとして問題となったらしい。ややこしいので単純に書くが、要するに“生まれつきの女性”でなければ入店させずにやって来た、という主張からだ。けれども、拒否された人たちなどが抗議して、結局、店側が謝罪する形となった。場所柄からも「差別だ」という抗議が出たのも無理からぬ話ではある。ただ私は思うのだ。仮に、そういう“抗議”があって是正されたとして、果たして本当に店内の女性達まで受け入れていくかはわからない。アメリカの“黒人差別”が良い例であるが、もう“人種差別撤廃”から何十年もたっているのだが、未だに、それは無くなっていない。黒人だけでなく、近年は“黄色人種”や“中米人種”も排撃される。トランプ大統領誕生以降「白人至上主義」運動が再び強まっている。極端な“差別”はもちろん是正すべきだが、人間が持っている“本能的な差別”までも「罪」としてしまうと、かえってその反動のようなものが「陰湿なイジメ」につながるような気がして私は怖いのだ。
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