大昔、子供は「神様からの授かりもの」だと言われた。1978年にイギリスで“体外受精”と呼ぶもので出生した児が産まれてからは、医師も“神様の手伝い”をするようになった。こうして徐々に“体外受精児”は増えてゆき、現在、日本では全国600施設で“体外受精”を行っている。日本の場合は1983年から始められたのだが、その累計数が70万人を突破した。現在では14人に1人が“体外受精児”なのだ。もちろん「体外受精」とは、妻の卵子を取り出して保存し、それに夫の精子を用いて“医師が受精させる”方法のことで、それに成功した“卵子”を妻の子宮に戻す。ちなみに、ほかの女性の子宮内で育てる「代理母」とは異なる。現代においては不妊のご夫婦が「確実に妊娠する」可能性の高い最適な方法と言える。ところが、当然のことながら“不妊治療”としては大変に費用が高い。その施設によっても異なるが一回に付き何十万円も取られる。とはいうものの“人工授精”は成功率が低いので、それを思えば必ずしも高いとは言えない。“人工授精”の失敗を繰り返すうちに、夫婦間の亀裂が生じていくケースは意外なほど多いものだ。それを思えば、多少、費用が高くても“精神的に傷つかない”体外受精は、“子宝”を望む夫婦にとっては“天の助け”なのだ。さらに日本のように「少子化」が進んでいる国にとっては、“少子化対策”の一つとしても有効な手段と言える。実は2022年から“公的医療保険”の対象となることが決まっている。したがって経済的には余裕のない家庭でも「神の手」ならぬ「医師の手」を借りることが出来る。もっとも、体外受精児が“普通に産まれた子供たち”と比べて、先天性の病気などを抱えやすい確率は多少、高まるとの報告もある。だから、必ずしもベストな方法と言い切れるのかには疑問もあるが、少なくとも、遠くない時代、10人に1人は「体外受精の児」となる時がやって来るだろうことだけは間違いがない。
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