中々ユニークなストーリーだとは思うものの、果たして2019年の今“こういう映画”が世間に受け入れられるのだろうか、と考えてしまった。それが松尾スズキ氏が監督・脚本・主演する「108~海場五郎の復讐と冒険」という作品で、この映画で彼の妻役を演じるのが中山美穂氏だ。彼女演ずる「妻」は“不貞を働く”ことで離婚という筋書きなのだが、法律的に財産の半分は“妻にも権利がある”という部分が主人公には納得いかない。どうして不貞されたのに財産を分け与えなければいけないのか。そこで彼は、或る結論に辿り着く。財産を使い切ってしまえばいい。そして、そのお金で“自分も不貞を働けば”平等(?)になる。こういう“奇妙な発想”を実行化していく過程を描いたのが「海場五郎の復讐と冒険」のようである。当然のことながら、この映画で「妻」となる中山美穂氏は“ハダカ”となる。そういう役どころなのだから当然である。しかも、本人の方から望んだ役どころであるらしい。かつて“風邪薬のCM”で清潔感が印象に残った中山美穂氏ももう49歳。“ハダカ”で客を呼べる年齢ではない。この映画は一応“復讐劇”であるから、彼女以外にも多数の女優陣が“ハダカ”となる。よって「R18」の指定作品だ。主演の松尾スズキ氏も、当然ながら“ハダカ”となるが、彼はこの映画を完成させることに必死で“金を使い切り”文字通り「裸」となった。それでも製作費が途中で不足し、駆けずり回って5年という歳月を要したそうだ。「5年間をかけた大作」と言えば聞こえは良いが、要するに“お蔵入り”するかギリギリの制作費の中で完成までこぎつけた作品のようである。まあ、そういうわけで松尾スズキ氏も中山美穂氏も“ハダカで勝負”している作品であり、その中身も文字通り“裸になっていく”内容で、懐に余裕のあった“バブル期”であれば大ヒットしたかもしれない映画なのだが、この“経済の見通し危うい”現代において、今秋に公開予定だが果たして“お寒い状態”にならないことを願うばかりである。
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