近年、科学は人類の歴史をより鮮明に明らかにしつつある。昔なら、謎であったこともさまざまな“科学の放射”で明らかにされつつある。一方、今後の社会的な予測についても、著しく解明度が増しつつある。昔なら、わからなかった十年後なり二十年後の予測がかなり具体的なところまで“見えるよう”に変わりつつある。つまり、過去も未来も、現代科学がより鮮明に解き明かしつつある。それらは前もって時代を先取り、将来を把握することで、さまざまな“不安要素”を取り除くのに少しは役立つ。けれども、だから“より幸福になれる”という保証はどこにもない。あくまでも“現在からの予測データ”に過ぎず、遠くに行けば行くほど“不確定要素”が増す。つまり、われわれの人生と同じで、“遠い先のことなど解からない”というのが本当のところなのだ。「占い」は、人の人生を“予測する学術”だが、それは本当のところ「学術的な予測」というより「術者の勘による予測」であって、占いの“学”や“術”の部分はあくまで“その入り口”として用意されているに過ぎない。それが証拠に、同じ生年月日時をデータとして与えても、出てくる答えは千差万別である。同じデータからは、同じ回答が出てくるなどと吹聴している占い師は、よほど“占いのいろは”しか知らないか、きちんと“自分の眼や頭”で占っていないかのどちらかであって信用できない。残念ながら“今程度の科学”には、未来を正確に予測するすべがないのだ。それでは、本当に未来が予測できたなら、われわれはそれによって“より幸福”になりうるだろうか。「緊急地震速報」というものがあるが、誤報が多いばかりでなく、仮に正しかったとしても実際にはあまり役立たないことが指摘されつつある。遠い将来の“可能性”を知ることで、われわれは“自分を見つめなおし”少しだけ“努力する”ようになる。だから「占い」は、100%的中させてはならないものなのである。
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