いつの間にか「性の多様化」や「働き方の多様化」が“推し進められている”社会となった。もう一つ、最近は「家族の多様化」というのも加わりそうな気がする。昨日、俳優の市村正親氏と篠原涼子氏とが「離婚」を公表した。かなり前から、この二人には“離婚の噂”があったので、そのこと自体は驚かないが、あまりにも「円満離婚」を強調しすぎると、かえって違和感が漂う。よく「離婚しても、父親や母親であることには変わらず今まで通り…」などと言うが、それなら何故「籍を抜くのか」ということにもなる。昔の日本では、娘が“お嫁入”と同時に、実の“両親”はもう親ではなく、“他家の所有物”となった。今から百年ほど前までは、そういう考え方が一般的だった。だから、十代半ばくらいで“お嫁入”をした場合、早くに両親を喪ったのと同様な立場となる。もちろん、お嫁入の場合には、その代わりとしての“義理の両親”を得ることになる。したがって、それ以降はすべて“義理の両親”の言いつけに従わなければならない。このようなことを書くと、なんと時代錯誤な…と思うかもしれないが、百年ほど前の日本では、それが“普通の考え方”だったのだ。しかも、その“お嫁入の相手”とは“一度も顔を合わせたことがない相手”だったりする。この“驚くべき制度”は何も、過去の日本に特有の現象なのではない。例えば、インドでは現在でも田舎に行くと“同様なシステム”が存在している。総じて、ヒンズーとか、イスラムとか、宗教概念の強い地域では「家系・血族」としての意識が強く、結婚は“新たな血”がその「家系・一族」に“混入してくること”として捉える。そうすると、“新たな血”は伝統的な“一族の血族”に馴染ませていかなければならない。したがって、家系的に伝えられてきた作法は“受け継がせる”責務が生じるのだ。そういうような考え方をするのが、昔の「結婚」だった。さて、現代は有難いことに、そういう“ややこしいこと”はなくなった。だから、子供を夫側に預けて家を出る形となっても、夫側が承諾している限りは“後ろ指をさされる”ことはない。こうして日本も、子供を置いて“家を出る”ことが、“普通のこと”になっていくのだろう。密かに進行していた「家族の多様化」は、ようやく“日の目を見始めた”ばかりなのだ。
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