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過去の占いコラム

素顔のひとり言(エッセイ集)


二極化を生み出していく社会


家族(親族)間での殺人事件や、将来への生活不安から自殺する人が増え続けている。

昔から、それらのケースがなかったわけではない。けれども家族間の殺人事件と云えば、昔は誰もが納得したり、同情するような大きな問題が横たわっているケースが多かった。自殺する場合でも、明らかに理解できるような状況下で行われるケースが多かった。しかし、ここに来て何かが大きく変化し始めている。理由が判然としないケースが多くなってきている。私にはそう感じられるのだ。

もちろん、個々の理由や動機は様々であり、単純に結論付けることなどできないが、何かが20年前の日本とは明らかに違ってきている。日本の社会の中で、静かに進行しつつある種々な面での格差の広がりと収縮が、これらの現象に大きく作用し始めているよう私には思えるのだ。

まず格差の広がりの方から云えば、一番の格差の広がりは「経済格差」だ。中流階級が多かった日本の社会から、徐々に中流が減り、その代りのように上流(は少しだけ)と下流(の方は沢山)が増え始めている。それを助長させているのが日用品などの物価高だ。以前にもここで記したことがあるが、生活資源や食品原材料の多くを輸入に頼っている日本は、ドル安が招く商品市況高騰の影響を最も受けやすい。その結果として低所得者層はもろにその影響を受けて生活苦となる。海外では米も高騰していると云うが、日本の場合パンや麺類に留まっているのがまだ救いだ。とは云えガソリンや灯油、電気・ガスなど日常生活に必要なものがいっせいに値上がり出している。

このような事態は、既に私自身、昨年からこのコーナーで警告してきたことではあっても、正直的中などして欲しくない。日本の場合、諸外国と違ってデフレをようやく抜け出したばかりだった。実は、経済格差は5年ほど前から徐々に広がりを見せていたのだが、デフレのため低所得者層でも最低限生活が維持できるので、黙認されてきたようなところがある。その付けが今まわって来たのだ。

日常における必要経費が値上がりする一方で、各種保険料などの実質増税が次々決まって、もはや年金生活者や零細企業に従事している人たちはギブアップ寸前のところまで来ている。

実は、マスメディアも見逃しているが大企業と零細企業との収益格差も、以前とは比べ物にならないほど広がっている。もちろん、規模が違うのだから、それに比例しての格差を考慮した上での話である。大企業の多くはバブル崩壊以降、収益基盤を強化する手を次々と打ってきた。海外生産でコストを減らすとかIT化で人件費を削減するとかである。同業他社との提携や吸収・合併も盛んに行われている。当然のことだが零細企業にはそれが出来ない。海外生産には莫大な投資資金が掛かる。IT化には資金だけでなく、新たな技術の習得や今現在抱えている従業員を切れるのか…と云う難しい問題が発生する。家内工業的な色彩の強い零細企業にとって、今抱えている従業員をリストラすると云うのは人情的にも難しいのだ。さらに難しいのが提携・合併で、それが生き延びる道だとわかっても、大きなところに頭を下げて、給与も下げられ、権限のすべてを奪われ、こき使われるのは耐えられないと云う場合が多い。

結局、零細企業は収益がますます細っていくのを覚悟で現状に甘んじる、と云うことになる。奇妙なもので、吸収された方が将来的に収入が増すとわかっても、零細企業の従業員と云うのは吸収・合併を嫌うものだ。親方・経営者がその気になっても、従業員に反対されて提携・合併にこぎつけないケースも多い。

こうして経済的な格差が広がる一方で、逆に格差の収縮が行われている分野もある。それは「情報の格差」だ。しかも、それは世界的な規模で急速に収縮しつつある。つまり、これまでなら一部の人だけが知っていたであろう情報が、瞬く間に日本の各地域いっせいに伝わっていく。時としては日本だけでなく、世界に一瞬で伝えられることもある。したがって、本来なら専門家以外知り得なかったような知識や情報が、誰もが当たり前のように知っているような知識や情報へと変わってきつつあるのだ。しかも、それらは大量であって、確かな知識や情報だけでなく、怪しいものやデマまでもが大手を振って渡り歩いている。種々な情報が洪水のように街にあふれだし、その中で何を選択すべきかさえも、分からなくなってきているのが実情だろう。結局、多くの人は情報に振り回され、自分が今と云う時代に取り残されまいとしているかのようだ。

家族間殺人や理由乏しき自殺者の増加も、これらの現象と無関係とは思えない。事実、一昨年あたりはネットを通じて「練炭自殺」が流行し、今年は周囲をも巻き込む「硫化水素自殺」が流行り始めている。ここ数年、ネット上の書き込みが自殺志願者に或る種の「連帯感」を与えているような気もする。一人なら嫌だが、何人もいるなら死後そういう人たちと巡り合えるかもしれない…と云う奇妙で愚かな発想が存在していないだろうか。

厭世感とか将来への絶望とかは、感受性の強い人なら青春時代に一度は陥りやすい現象で、かくいう私自身も十代半ばで自殺未遂の経験がある。ただ死ななかったので、生きるしかなくなったので、生きる目的を求めて、すでに始めていた占いの研究へとのめり込む結果となったのだ。

家族間の殺人にしても、経済的な格差がもたらした生活苦と将来への漠たる不安、それに情報が行き交い過ぎた結果としての周囲との比較が生み出しているケースも多いよう思われる。マスコミは将来の不安要素を数え上げ、厭でも飛び込んで来る種々な情報は、自分の家での親子・夫婦・兄弟関係が、或いは家庭生活の在り方が、周りと照らし合わせどうなのかと考えさせられる。

熟年離婚なども、情報化社会がもたらしら誤った幻想によるところが大きいよう思われてならない。その後の幸福を謳歌している人など、一握りしかいない。

時代の先端を歩もうとする人と、時代に逆行化しようとする人と、新たなる時代は難しい選択をそれぞれに迫っている。

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