時々、日本人は優しいなあ…と感じることがある。昨日、大阪で行われたロック・フェスティバルでB´zの稲葉浩志氏が喉の不調により、しばしばパフォーマンスを中断し、水を飲み、楽屋に引っ込み、結局、4曲だけでライブを終了してしまったらしい。歌手がいつもに比べて“思うように声が出ない”ということは時折あるが、完全に歌えなくなるほど“声が出ない”というのは珍しい。最近では、浜崎あゆみ氏がコンサート直前になって体調不良で中止している。歌手にとって、ライブ会場は“仕事場”であり、歌えなければ仕事にならない。だから、何時間もかけてやってきたファンもいる中で、直前に中止するとか、始まってから歌えなくなるというのは“厳禁”なわけだが、実際には時折見掛けるアクシデントである。そういう時、日本のファンは総じて優しい。ほとんどの場合、非難する声を聴かない。むしろ「頑張って!」と声援してあげるとか、代わりに歌ってあげるとか、惜しみない拍手で労ってあげる。“若い”と思っていた稲葉浩志氏も、もう53歳。喉が衰えて来る年齢だ。特にロックの歌い方というのは喉に負担がかかりやすい。そういう点では、若手のロック歌手たちも、喉に負担が掛かり過ぎないような歌い方に変えていった方が良いのかもしれないが、多分、それだとロックではなくなる。歌の歌えない歌手に声援を送るように、日本人は総じて優しい。昨日の朝に見た経済番組でも、今年の「株価予想」「為替予想」「金利予想」を、それぞれ外した方々をスタジオに招き「反省会」と題して、何故、外れてしまったのかを訊き、“来年予想”をたててもらっていた。もちろん、それぞれの金融分野のエキスパートたちであり、謂わば“専門家”たちなのだが、“外した”からといって特別お咎めもない。MCが、実に優しくフォローしていた。私の「占い」が外れた時にも、こういう“優しい人たち”がいれば良いのに…。いや、私も“親切”に出逢っていた。昨日、たまたま夕食を“讃岐うどんの専門店”で食べていた。その時、一人の女性が店内に入ってきて、私のテーブルに来て跪き「向かいの店の者ですけど、昨日いらして頂きましたよね。その会計の時に、実は別なお客様の会計も一緒になってしまって余分にお金を戴いてしまったのです。それで、今、お見掛けしたものですから、こうしてお金をお返しに来たのです」と、余分だった金額を手渡された。私は自分が余分に払っていたことなど知らなかった。そう言われてみれば、少し高かったかも…。だが、まったく気付いていなかったのだ。しかも、私は向いの店に入ったが、昨日とは時間も異なり、別に大声で話していたわけでもない。多分、横顔が半分くらい見える場所に座っていただけなのだ。それなのに、私を発見し、お金を届けに来る。何んと親切な店員であろう。こういう人たちが暮らしている限り、日本人は「世界一親切な国民である」と外国人たちは絶賛するに違いない。
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