世界的に見ると、日本というのは女性の社会進出がまだまだ“進まない国”の代表的な国の一つだ。だから総体的に言うと、“男性優位社会”ということになる。そうは言っても、私が日ごろ接する女性達を見ていると、自分で起業し、社会的にも経済的にも成功して、男性達と互角か、或いはそれ以上の活躍を見せている女性達も多い。夫だけを頼って生きている女性の比率は決して高くない。それでも、こういう本が出て、ベストセラーになりつつあるというのは共感者たちが多いからだろうか。その本とは『だんなデスノート~夫の「死」を願う妻たちの叫び~』(宝島社刊)という本で、元々ウェブサイト「だんなデスノート」に寄せられた“書き込み”をまとめた書籍なのだ。おおよそ1万件の“書き込み”から129件を選りすぐってまとめたものだ。「一刻も早く死んでほしい」とか「早く地獄へと連れて行ってください」とか、なかなかに強烈な内容のものが多い。担当編集者によれば、その内容が本当か嘘かは分からない。とりあえずリアリティのあるものを優先したそうだ。それにしても、夫の“悪口”を書き込むだけのサイトに主婦たちが集まり、“悪口”を繰り返すのは何んとも寂しい。サラリーマンが上司の悪口を“飲み屋”で繰り返しているのと、どこか似ている。私は会社勤めの頃、そういう同僚たちにいつも面食らった。私なら間違ったことを言われたり、無理なことを頼まれたり、強引に仕事を押し付けられたりすれば、黙ってはいない。上司だろうが、社長だろうが、その場で撤回させようとする。だから、彼らにも「どうして黙っているの?」と必ず言った。そうすると彼らは、別な惑星の生き物でも見るような眼になって「そりゃ、言えないだろう、上司なんだよ」と酒をあおった。同じような部分が、今でも、夫と妻の間にあるのだろうか。私のところには、似たような相談は滅多に来ない。何故か、女性主導型の家庭からの相談事が多い。或いは、旦那は旦那、私は私、という互いを認め合う“クールな夫婦間”に起こる問題や出来事での相談事が多い。日本の場合、近年は特に“あらゆるもの”が二極化しつつある。“強い女性”と“弱い女性”とがどんどん増えて、その中間の“丁度良い女性”が、なぜ見当たらないのだろう。
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