9月10日、メルボルンの地元紙「ヘラルド・サン」に漫画家マーク・ナイト氏が描いた“風刺画”が掲載された。全米テニス女子シングルス決勝で激高するセレーナ・ウィリアムスを描いたもので、大きく飛び跳ねながら壊れたラケットを踏みつけようとしている姿である。やや誇張はされているものの“セレーナの顔”と誰もがすぐにわかる素晴らしい漫画だ。ところが、この漫画に対して「人種差別」だとか「性差別」だとか騒ぐ輩がいる。「ハリー・ポッター」の原作者K・ローリング氏は「人種差別や性差別で冷やかすものでしかない」と批判している。さらに「よくも偉大な女子選手を笑いものにしてくれた」と感情的に起こっている。実は、漫画家マーク・ナイト氏の元には22000件ものコメントが寄せられたそうだが、そのほとんどは批判的なものだったらしい。彼は、それらに対して「人間の振る舞いに差別など関係ない」と相手にしていない。彼は以前から“物議をかもす漫画家”として有名なのだそうだ。素晴らしい。私もニュース映像などでセレーナ選手と大阪なおみ選手の試合の一部を見たが、セレーナ選手の言動は、どう見ても“身勝手”以外の何物でもない。本来、どちらかと言えば“富裕層のスポーツ”であるテニスとしての“基本的マナー”がなっていない。特に、主審に対しての暴言は決して許されるべきものではない。一流選手であればあるほど、人間としても“一流”でなければならない。マナーを失している彼女は“選手”である前に“人間”として失格なのだ。最近、スポーツ選手等の行動や対応が問題視されるが、どのような世界であれ、その世界で一流であったとしても、人間として“あってはならない発言・行動”が目立つ人物を称賛してはならない。しかも、この漫画は遠方に“小さく”審判と大阪なおみ選手を描き、審判がなおみ選手に“何かをお願いしている”風にプラスしている。つまり「セレーナ選手を勝たせてやってくれないか」と囁いている風にも見えるのだ。そういう“シャレた皮肉”を利かせるのがマーク・ナイト氏の風刺画なのだ。日本でも、昔はどの新聞にでも「風刺画」が載った。ところが、いつの頃からか風刺画を掲載する新聞が少なくなった。社会風刺というのは、正面切って言うと“争い事”に発展しかねない。それをユーモアたっぷりに皮肉って漫画にすると、誰もが楽しく共感できるのだ。そういう素晴らしい文化は、もう育たないのだろうか。
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